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6人に1人は糖尿病とその予備軍
●  糖尿病有病者は男性、予備軍は女性に多い
  厚生労働省は8月6日、「平成14年糖尿病実態調査(速報)」を発表した。これによると、「糖尿病が強く疑われる人*1」は約740万人(平成9年調査690万人)、「糖尿病の可能性を否定できない人*2」は約880万人(同680万人)と推計され、合計1,620万人に上ることが判明した。これは、成人の6.3人に1人が糖尿病の可能性があり、高齢化や食生活の変化などが原因と見られる。
  この調査は、平成14年国民栄養調査に応じた20歳以上の5,792人を対象に、問診や血糖値の血液検査などを実施し行われた。
  平成9年調査に比べると、「糖尿病が強く疑われる人」は、男女とも60歳未満では減少傾向にあるが、60代以降は増えており、特に70歳以降の男性で急増している。また、「糖尿病の可能性を否定できない」糖尿病予備軍については、男性は50歳未満で減少しているが、女性はほぼ全年齢層で増加傾向にある。中でも60代の女性の増加が際立っている。
  20代を除くと、全般的に有病者は男性に、予備軍は女性に多いといえる。
  「平成13年度国民医療費の概況」によると、糖尿病の医療費は前年度比5.3%増の1兆1,743億円に及んでいる。正しい食生活と適度な運動を習慣付けることで、糖尿病の予防に努めることが国民の緊急の課題となっている。
*1 
「糖尿病が強く疑われる人」は、ヘモグロビンA1c6.1%以上、または、アンケート調査で、現在糖尿病の治療を受けていると答えた人。
*2 
「糖尿病の可能性を否定できない人」は、ヘモグロビンA1cが5.6%以上6.1%未満で現在糖尿病の治療を受けていない人。
【糖尿病が強く疑われる人および糖尿病の可能性が否定できない人の全体に対する割合】
(  )内は平成9年調査
 
男 性
女 性
年齢
(歳)
糖尿病が
強く疑われる人
糖尿病の可能性を
否定できない人
糖尿病が
強く疑われる人
糖尿病の可能性を
否定できない人
20〜29
0%(0.9%)
2.1%(0.4%)
0.8%(0.9%)
0.4%(1.4%)
30〜39
0.8%(1.6%)
2.7%(4.1%)
0.9%(1.6%)
4.4%(4.2%)
40〜49
4.4%(5.4%)
3.4%(6.8%)
3.6%(5.3%)
8.3%(7.7%)
50〜59
14.0%(14.2%)
10.7%(10.1%)
4.6%(7.1%)
10.7%(10.4%)
60〜69
17.9%(17.5%)
13.4%(10.3%)
11.5%(10.6%)
16.0%(8.8%)
70〜
21.3%(11.3%)
16.1%(11.5%)
11.6%(15.5%)
16.7%(12.4%)
厚生労働省「平成14年糖尿病実態調査(速報)」
2003.09.16
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