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平成15年度上半期新商品の傾向
  平成15年度もまもなく上半期が終わろうとしている。上半期は予定利率の引き下げ問題が話題の中心となったが、最近では株価が上昇し、各社の財務内容に改善の傾向が見られる。
  業績面ではアメリカンファミリー生命が保有契約件数で生保業界トップになるなど、第三分野商品を中心とした外資系生保の進展が目立っている。
  一方で、AIGグループによるGEエジソン生命の買収に見られるように、業界再編成の動きが続いている。今後も明治生命と安田生命の統合や三井生命の株式会社化など、統合や大幅な組織改定が控えており、生保業界の動向から当分目が離せそうにない。
  今年4月以降の新商品は、引き続き第三分野、特に医療保険の発売が目立っている。最近の医療保険の傾向として次の三つが挙げられる。
1.保険期間の終身化
  保障見直しの一つとして、有期タイプの医療保障を終身保障に変更するというニーズがある。終身保障に変更すれば保険料は高くなるが、払込期間を終身払にしたり、払込期間中の解約返戻金をなくしたりと、保険料を抑える方策がとられている。
  終身タイプの医療保険としては、6月にAIGスター生命から『生涯サポート「終身医療保険」』、アクサ生命から「終身医療保険1095」が発売された。
2.保険料の低廉化
  アメリカンファミリー生命の医療保険「EVER」の発売以降、保障内容をシンプルにして保険料を低廉化した商品が増えている。保険料を安くするには事業費の削減といった経営努力だけでなく、保障内容を限定することが必要になる。
  6月にオリックス生命から発売された『入院保険「fit」』は1入院の支払限度を30日に設定した医療保険で、医療ニーズの高まる60歳以降は支払限度が90日に延長される。保険期間中に保障内容が変更される商品は損保ジャパンひまわり生命の「ワハハ21」などがあるが、支払限度日数が変更される商品は業界初である。
3.支払要件の短期化
  入院給付金の支払要件となる入院日数は年々短期化され、現在では0泊1日か1泊2日のいずれかを要件とするものが主流になっている。また、医療保険単体だけでなく、短期間の入院を保障する入院特約も数多く販売され、今年度上半期だけでも三井生命やソニー生命、損保ジャパンDIY生命などから短期の入院特約が発売された。
  また、医療保険は共済や損保など隣接業界からも次々に新商品が発売されている。共済ならでは、損保ならではという部分もあり、一口に医療保険といっても各業界の特徴を反映した商品となっている。
  死亡保障型の保険では、太陽生命から定期保険特約付終身保険「太陽生命の保険組曲」が発売されたが、それ以外に大型商品の発売はなく、あいおい生命やT&Dフィナンシャル生命などから終身保険が発売された程度である。各社とも一般的な終身保険はすでにラインアップされているため、保険料の割安な低解約返戻金タイプかシニア層を狙った無選択型のいずれかを発売している。
  一方、第三分野商品が中心のアメリカンファミリー生命からは、終身の死亡保障に3大成人病の保障をセットした「AFLACの終身保険プラス3」が発売された。また、終身特約や定期特約など「EVER」専用の特約を新たに発売し、医療だけでなく総合的な保障ニーズに応えるラインアップとなった。
  いずれにしても、アカウントタイプの登場以来大きな商品改定はなく、訴求力のある保険商品の発売が期待されている。
2003.09.16
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