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ニーズが高い特定の保障機能を持つ商品や特約
●  生保の世帯加入率や死亡保険金が大幅低下
  生命保険文化センターが3年ごとに実施している「生命保険に関する全国実態調査」速報版が、9月11日に発表された。
  平成15年の全生命保険の世帯加入率は89.6%で、昭和51年以来27年ぶりに90%を下回った。前回調査(平成12年)から−2.2%と調査開始以来最大の下落だが、中でも簡保は52.0%から48.7%と3.3ポイント減少している。(民保−2.2%、JA−0.7%)
  また、世帯の普通死亡保険金(全生保)の平均額は3,697万円(前回4,141万円)で、世帯加入率と同様に最大の下落幅となっている。このほか、世帯加入件数、年間払込保険料なども軒並み減少しており、生保業界の厳しい実態を浮き彫りにした結果となった。
【図1  世帯加入率の推移】
【図1  世帯加入率の推移】
●  死亡保障よりも生存給付型へ
  一方、「がん」や「介護」など、特定の保障機能を持つ商品や特約の加入率はいずれも増加している。民保加入世帯におけるがん保険・がん特約の世帯加入率は55.5%と前回(47.6%)から7.9ポイント増加。また、特定疾病保障保険・特定疾病保障特約は47.0%で7.7ポイント増加、特定損傷特約は34.5%で4.5ポイント増加、疾病障害特約・重度慢性疾患保障特約は18.0%で3.3ポイント増加している。さらに、普及率が低かった介護保険・介護特約の加入率は、3年間で6.9%から16.4%と大幅に増えている。
  また、民保の疾病入院給付金日額の推移は、「世帯」は16,100円から16,400円に、「世帯主」は8,500円から8,800円に、「妻」は6,500円から6,700円にそれぞれ増加している。
  家計のリストラで生命保険の見直しをする場合、死亡保険金を減額し、特定保障機能を充実させることなどがポイントになっているようだ。
  過大な死亡保障はモラルリスク上好ましくないが、世帯主の普通死亡保険金が平均2,322万円という現状が、果たして妥当なものかどうかは別問題といえよう。
【図2  がん保険・がん特約の加入率(民保加入世帯ベース)】
【図2  がん保険・がん特約の加入率(民保加入世帯ベース)】
がんで入院したときに入院給付金が受け取れる生命保険、あるいは特約が付加された生命保険であり、成人病特約、損害保険は含まれない
【図3  介護保険・介護特約の加入率(民保加入世帯ベース)】
【図3  介護保険・介護特約の加入率(民保加入世帯ベース)】
がん、急性心筋梗塞、脳卒中の3大成人病により所定の状態になったとき、生前に死亡保険金と同額の特定疾病保険金が受け取れる生命保険、あるいは特約が付加された生命保険であり、損害保険は含まれない
出典:いずれも(財)生命保険文化センター「平成15年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)」
2003.09.30
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