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都道府県基準地価にみる最新の地価動向
●  土地ごとの利用価値が高まり地価の個別化が進む
  9月19日、国土交通省は、平成15年度の都道府県地価調査(基準地価)の結果を発表した。
  都道府県地価調査とは、国土利用計画法に基づき、各都道府県の基準地(平成15年は全国27,725地点)について都道府県知事が毎年1回、7月1日の地価を公表するもので、通称、基準地価とも呼ばれ、毎年1月1日時点で国が調査する「公示地価」と併せて一般の土地取引の指標とされている。これによると、基準地価は、全国平均で前年比マイナス5.6%と12年連続で下落、下落幅も3年連続の拡大となり、バブル崩壊以降の地価の下落傾向に歯止めがかかっていない状況が浮き彫りとなった。
  一方、地域別の動向をみると、三大都市圏では、住宅地、商業地ともに下落幅は縮小した。住宅地に関しては、東京都区部で上昇・横ばいの地点が増加し、東京圏の下落幅が縮小したことから、三大都市圏全体として下落幅を押し下げる結果となった。また、商業地に関しては、東京圏、大阪圏、名古屋圏ともに下落幅が縮小し、とりわけ都心部の銀座や表参道などで、比較的高い上昇率を示す地点が見られた。
  このような結果について、調査では、利便性・収益性の差や個別の地点の置かれた状況による「地価の個別化」が進行していると指摘する。
  バブル期は横並びで急騰し、バブル崩壊後しばらくは横並びで急落するという印象があった地価動向だが、いわゆる「失われた10年」を経て、個別の土地ごとの利用価値に基づいた価格決定メカニズムが出来つつあることは注目に値するといえるだろう。
【地域別、地価変動率】
対象地域
住宅地
商業地
平成14年
平成15年
平成14年
平成15年
全  国
4.3
4.8
7.2
7.4
三大都市圏
6.8
6.6
8.2
7.3
東京圏
6.1
5.6
6.9
5.8
大阪圏
8.9
8.9
△10.8
△10.3
名古屋圏
5.3
5.6
8.8
7.6
地方圏
3.4
4.3
6.8
7.4
出典:国土交通省「平成15年都道府県地価調査」
2003.09.30
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