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民間給与の平均は448万円で5年連続ダウン
●  減少幅が多い賞与と男性の給与
  国税庁は9月22日、「民間給与実態統計調査の概要」を公表した。同調査は昭和24年から毎年実施しており、民間企業における給与の実態を明らかにし、租税収入の見積もりや租税負担の検討などの基本資料とすることを目的としている。
  これによると、給与所得者のうち、1年を通じて勤務した給与所得者は4,472万人(男性2,811万人、女性1,661万人)で、前年より0.8%減少している。給与総額は前年比2.2%減の200兆2,590億円で、1人当たりの平均給与は約448万円となっている。男女別にみると、男性548万円(−1.8%)、女性278万円(−0.1%)で、男性の落ち込みが際立っている。
  平均給与は5年連続減少しており、この間の減少額は17万円で10年前の水準に戻ってしまった。また、平均賞与は72万5,000円(−6.5%)と大きく下落し、平成4年当時と比べ、実に21万9,000円も減っている。
【平均給与および対前年伸び率の推移】
【平均給与および対前年伸び率の推移】
国税庁「民間給与実態統計調査の概要」
●  従事員・資本金の規模別で大きく異なる給与
  平均給与は、事業所の従事員数や企業の資本金によって大きな差が生じている。
  従事員10人未満の事業所では354万円(男性442万円、女性250万円)だが、5,000人以上になると580万円(男性730万円、女性279万円)となっている。また、資本金2,000万円未満の株式会社では398万円(男性479万円、女性246万円)に対し、資本金10億円以上の会社では600万円(男性699万円、女性314万円)で、特に男性の場合に大きな差が生じている。
  年齢階級別にみると、男性では年齢が高くなるにつれて平均給与も高くなり、50〜54歳が677万円とピークになるが、女性では年齢による格差はあまり顕著ではない。
  一方、年間給与額が800万円を超える給与所得者は、全体の10.3%にすぎないが、その税額は半分以上(52.2%)を占めている。
  長引く不況で年々給与が減り、賞与も期待できないために消費が冷え込み、それにより税額も減るという悪循環は、いつになったら断ち切られるのだろうか。
2003.10.14
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