>  今週のトピックス >  No.707
「ブランド力」で顧客をひきつけるアフラック
  日本におけるがん保険のパイオニアであるアフラックだが、創業当時の1974年は、がん告知が今ほど一般的ではなかった。そこで、主に企業系列代理店を通じてニーズを発掘し、2002年度は個人保険の保有契約件数ナンバーワンの座に立った。さらに医療保険分野へも快進撃を続けている。
●  総合医療保障を実現する二つの主力商品
  アフラックの主力商品『新・健康応援団 MAX』は、『21世紀がん保険』と『特約MAX21(災害疾病特約)』をセットしたプランの販売名称である。平成12年末に発売して以来、「高度先進医療」「在宅緩和ケア」といった新たな保障を終身で提供している。
  開発段階で焦点を当てたのは、「顧客のニーズにあった保障を提供する商品に」ということだ。同社の給付金受給者や医療従事者へ徹底したマーケティング調査を行い、がん治療のための新しい保障を拡充した。
  昨年発売した『一生いっしょの医療保険 EVER』は、年間での新契約件数が50万件を超えた人気商品だ。入院と手術というシンプルな保障内容に絞ったことで低廉な保険料を実現させている。通院や特定疾病に対する保障はないが、保障内容と保険料の関係が明解であることは大きな利点だ。
●  保障内容より実績とブランドが支持される
  がん保険の顧客層の中心は、がんが気になり始める団塊の世代である。医療保険では、結婚や出産などの節目を迎える団塊ジュニア世代(32歳前後)および団塊世代からシニアまでの層(50〜60歳前後)が中心となっている。
  医療保険の競争が激化する中で、顧客は必ずしも保障内容で比べているのではないというのが同社の分析だ。保障内容に代わるポイントは3つある。一つは保険金支払い実績。入院給付金支払額は8年連続業界ナンバーワンである。次は大企業ホワイトカラーを中心に浸透したブランド力。最後は保険料の手ごろさ。「がんとけがで月払保険料3,000〜5,000円程度」というマーケティング結果に基づいた開発が、ヒットにつながった。
●  「相談できる代理店」へ変化
  アフラックは、約1万2,000社ある代理店(2003年3月末)のうち、大企業職域を主とする「企業系列代理店」が約2,000社、そのほかが「独立・個人代理店(法人格も含む)」だ。売り上げでは企業代理店が約4割、独立・個人代理店が約6割を占める。
  大企業代理店による文書募集という方法は、潜在ニーズのある商品を普及させるのに最適だった。企業の人事部がアフターフォローの一端を担っていたことも、継続率の高さに貢献した。これは米国本社にも他社にもない独自の販売手法である。だが勤労者の数が大企業から中小企業へと移り始め、さらに職場で加入するよりも家庭でじっくり考えたいというニーズが増えてきたため、来店型店舗である「サービスショップ」を設置するなど、新たな試みも始まっている。
  今後は地域に密着し、顧客が相談しやすい代理店を増やしたい意向だ。
  アフラックは、公的保険の補完として、低額ながん・医療保障を提供し続けてきた。顧客の変化に合わせてニーズに沿った商品を開発する力が、高いブランド力を保っている。
2003.10.20
前のページにもどる
ページトップへ