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企業型組織への転換を目指す日本郵政公社
  10月15日、日本郵政公社の組織改革計画が発表された。改革の基本的な考え方として、「効率的で活力ある『マーケット指向の企業型組織』への改革」をスローガンに、
(1)戦略分野の増強および管理分野の削減
(2)支社の郵便局サポート機能の強化
(3)支社、郵便局の業績評価システムの導入
をテーマに掲げている。
  具体的な本社、支社の改革案は次のとおりである。
1.本社組織の改革
(1)
組織のスリム化(意思決定の迅速化、生産性の向上)
原則として「係ライン(約500)」を廃止し、部長・担当部長単位のユニット(100程度)に再編することで、縦割り組織の弊害を除去する。
また、本社の要員(約2,000名)は、戦略分野を除き10%程度削減する。
(2)
本社と支社の一体性の向上
全社的な観点から支社をサポートするため、支社ごとに理事を指名し、本社と支社のパイプ役として意思疎通の向上を図る。
(3)
3事業一体の経営基盤の整備
次の組織を設置・再編する。
  • 総裁直轄の組織として「CS推進室」を設置。
  • 経営企画部門に「事業開発セクション」および「IT企画セクション」を設置。
  • 郵政総合研究所の組織を、経済・経営・国際の3部門から2部門に再編。
2.地方組織の改革
(1)
支社の改革
支社は郵便局のサポートや業績評価などのコア業務に特化する。バックオフィス的な業務はスリム化し、郵便局サポート機能を強化する。サポート機能の強化としては、県担当の営業推進体制の整備や郵便局駐在スタッフの拡充などのほか、支社のブランチとして「県サポート本部」の設置も検討する。
(2)
業績評価の導入
支社に対する「業績評価システム」の導入により、本社・支社間の業績基準に関する共通認識の醸成、支社のミッションの計画化を図る。また、同時に郵便局に対する業績評価システムも導入する。
(3)
監査本部の廃止
現在、全国10カ所にある監査本部を廃止し、本社と監査室の2階層とする。監査室は原則として都道府県単位(50カ所)に配置する。
  また、このような組織改革と業務プロセスの見直しにより、アクションプラン期間中に管理部門の人員を1,000人以上削減する。
  日本郵政公社では9月に民間生命保険会社の主力商品である定期保険特約付終身保険の認可を申請し、生命保険業界に衝撃を与えた。郵政事業そのものが転換期を迎える中、今回発表された改革案の今後の展開が大いに注目される。
2003.11.04
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