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スカンディア生命が日本初の変額ユニバーサル保険を発売
●  保障と貯蓄を兼備したユニバーサル保険
  スカンディア生命は、11月4日、日本で初となる変額ユニバーサル保険『Prime Life』を発売した。変額ユニバーサル保険は、現在アメリカで最も普及している保険で、積立部分を投資信託で運用するものである。
  ユニバーサル保険は、日本で主力商品の一つとなっているアカウント型保険の原型となった保険で、最大の特徴は保障機能と貯蓄機能を明確に分けているところにある。アカウント型保険が積立部分に定期保険などの単体保険や特約をセットしたものであるのに対し、ユニバーサル保険は一つの契約で保障機能と貯蓄機能を兼備している。
  ユニバーサル保険の保険料は、契約に関する諸経費を控除した後に貯蓄部分に積み立てられ、さらに積立金から死亡保障のための危険保険料が控除される。変額ユニバーサル保険は、その積立金を主に投資信託で運用するが、『Prime Life』では積立金を運用する特別勘定として、8種類の投資信託が設定されている。
●  日本初、契約コスト公開の保障型保険
  『Prime Life』では、契約時に保険料額のほか、基本死亡保険金額を設定する。この基本死亡保険金額と積立金額の差額が危険保険金額となる。危険保険金額は、基本死亡保険金額を最低保証するための上乗せ部分といってもよく、危険保険金額に応じた危険保険料が積立金から控除される。
  危険保険金額は積立金の運用実績に応じて変動するため、危険保険料も一定の金額にはならない。また、積立金額が基本死亡保険金額を上回った場合は、危険保険金額は一律10万円となる。従って、運用が好調なときには「積立金額+10万円」の死亡保険金が支払われる。
  保険期間は15年以上90年以内で設定するが、運用期間が10年を経過していれば保険期間の延長・短縮も取り扱う。これにより、運用が好調なときには保険期間を短縮して早く満期払戻金を受け取ったり、不調なときには保険期間を延長して積立金の回復を待つというリスク回避が可能になる。また、満期払戻金の受け取りに代えて、定額・変額終身保険や年金に移行することもできる。
  『Prime Life』のもう一つの特徴は、契約に関するコストがすべて公開されているということである。変額個人年金など一部の商品では公開されているものもあるが、保障型の保険で契約コストを公開しているのは日本では『Prime Life』が初めてだ。
仕組図
  変額ユニバーサル保険は、1980年代にアメリカで開発され、1990年代に入り株価の上昇を背景に急激に販売シェアを伸ばしていった。2000年にはついに定額型のユニバーサル保険のシェアを上回り、30%以上のシェアを占めるまでに成長している。
  現在の日本では、リスク性の高い生命保険に対するニーズは決して高いとはいえないが、変額個人年金が急成長したように、変額ユニバーサル保険が日本の消費者にどこまで受け入れられるか注目されている。
2003.12.01
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