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J-REITによる資産運用の魅力とは
●  J-REITで個人投資家も分散投資が可能に
  2000年11月30日に施行された改正投資信託法によって、投資信託の投資対象が不動産などにも広がった。これに伴い、日本にも現在六つのJ-REIT(日本版不動産投資信託)が誕生している。
  J-REITへの投資の魅力として、次の点が挙げられる。
(1)
収益のほとんどが不動産賃貸による賃料などであるため、株式などに比べて安定的な収益が期待できる。また、収益の90%以上が配当として支払われるため、株式などに比べて高利回りの配当が期待できる。
(2)
投資対象が不動産なので現金や預金と異なり、基本的には賃料などを含めインフレのときでも実質価値が目減りしないため、インフレに強い。
(3)
多くの投資家から資金を集めるため、通常の不動産投資に必要な金額に比べて、投資する際の資金は少額から可能。また、投資対象物件も都内の一等地などのオフィスビルが保有可能となる。
  中でも今回は、(3)について考えてみよう。
  J-REITは、通常の投資信託と同様に、投資された資金の運用を不動産投資の専門家が行う。物件の選定やメンテナンスなどを専門家に任せることができるため、通常の不動産投資と比べて手軽に不動産投資ができる。
  また、多くの投資家から投資資金を募るため、J-REIT投資に必要な資金は一般的に50万円から60万円程度で、少額からの不動産投資が可能となる。
  このように、現物による不動産投資と比べると少額から投資に参加できるので、個人投資家の限られた運用資金でもJ-REITなどの不動産投資と、株式や外貨などの有価証券投資に分散することが可能なのである。つまり、一層の「分散投資によるリスク軽減効果」が期待できることになる。
  2003年11月21日現在で、時価総額の大きな三つのJ-REIT(日本ビルファンド投資法人、ジャパンリアルエステイト投資法人、日本リテールファンド投資法人)の2002年4月末からの値動きを検証してみると、明らかにTOPIXやUSドルと異なる値動きをしている。これは株式や外貨だけに投資するよりも、一定のリスク軽減効果が期待できることを意味しているといえるだろう。(下図参照)
【2002年4月末を100とした場合の代表的なJ-REIT3商品とTOPIX・USドルの価格推移】
【2002年4月末を100とした場合の代表的なJ-REIT3商品とTOPIX・USドルの価格推移】
上記数値は2002年4月〜2003年10月までは各月の月末ベースの数値、2003年11月は11月21日の終値を使用。
●  良質な不動産への投資を検討
  また、一般の投資家が直接不動産投資を行う場合、東京都内の一等地物件を複数保有することは資金面からみるとなかなか困難である。しかしJ-REITであれば、多くの投資家から資金を集めて、その資金で物件を購入するため、都内の一等地にオフィスビルなどを複数保有することが可能になる。(投資物件などに関する詳しい情報は下記のホームページ参照)今後オフィスビルなどの不動産が供給過剰となり、競争が激化した場合でも、十分な価格競争力を持つ優良な物件を複数保有できることになる。
【J-REITの主な資産運用会社】
ファンド名
株価コード
ホームページアドレス
日本ビルファンド投資法人
8951
http://www.nbf-m.com/nbf/
ジャパンリアルエステイト投資法人
8952
http://www.j-re.co.jp/
日本リテールファンド投資法人
8953
http://www.jrf-reit.com/
オリックス不動産投資法人
8954
http://www.orixjreit.com/
日本プライムリアルティ投資法人
8955
http://www.jpr-reit.co.jp/
プレミア投資法人
8956
http://www.pic-reit.co.jp/
  最近は、日本株式市場が1万円台を回復するなど、個人投資家の関心が株式市場に注目が集まりがちだが、「資産の分散」と「良質な不動産への投資」という二つの観点から、個人もJ-REITへの投資を十分検討する価値があるのではないだろうか。
2003.12.01
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