> 今週のトピックス > No.737 |
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交通違反反則金の地方への移譲検討と交通違反状況 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ● 駐車違反反則金は年間200〜300億円
国・地方の税財政の「三位一体改革」の一環として、現在国の収入となっている駐車違反の反則金を都道府県の収入とする案が打ち出されている。
交通違反反則金は年間約800億円で、このうち駐車違反の反則金収入が年間200〜300億円あり、これを小泉首相が示している補助金削減の一部に当て、財源の地方移譲の一つとするものだ。 所管の警察庁は、地方自治体間で収入に偏りが生じることや、収入確保のため取り締まりを強化しているとの国民の不信感を招くとして反対していた。 ![]() ● 交通違反状況
ところで先月、自宅前の路上に車を一晩止めっぱなしにし、最高裁で「自動車の保管場所の確保に関する法律」(車庫法)違反に問われていた男性が、逆転無罪の判決を勝ち取った。このケースは、車庫法の「長時間駐車の禁止」に抵触したものだ。
車庫法違反は前科となり、同じ路上放置でも、車庫法違反と道路交通法違反ではまったく罰則が異なる。(表1、2)平成15年度の「警察白書」によると、平成14年における車庫法違反の検挙件数は約2.2万件なのに対し、駐停車違反の取り締まり件数が約172万件と、その数は車庫法違反の比ではない。 ![]() 【表1 車庫法違反の罰則】
![]() 【表2 道路交通法違反の罰則】
また、平成14年の道路交通法違反は、「最高速度違反」(スピード違反)と「駐停車違反」が1位、2位を占めている。(表3)
ここ5年間の主な交通違反の取り締まり状況では、「無免許、無資格運転」「酒酔い、酒気帯び運転」「駐停車違反」が着実に減少している。特に「酒酔い、酒気帯び運転」は、道路交通法の改正(酒酔い運転などの罰則強化)の効果もあってか、5年前に比べ3分の2に激減している。「駐停車違反」も減少している。「最高速度違反」「信号無視」「一時停止違反」などは、この5年間横ばい状態だ。 ![]() 交通違反や交通事故を減らす特効薬は、罰則と取り締まりの強化といえるだろう。駐車違反反則金の地方移譲が現実となり、都道府県が取り締まりを強化することで駐車違反が減り、ひいては交通違反や交通事故が減少することが望まれる。
![]() 【表3 主な道路交通法違反の取り締まり状況】
![]() 平成15年度「警察白書」より抜粋し、作成
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2003.12.08 |
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