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夕食メニューが選択できる病院が増えている
●  患者サービスの向上が病院経営の柱に
  病院に入院した経験がある人なら夕食の時間帯が早く、しかもメニューも単一で味気ないという記憶はないだろうか?   現在では8割近い79.6%の病院が夕食の時間帯を午後6時以降にし、35.4%は夕食を複数メニューから選択ができるサービスを行っている。そんな調査結果が12月15日、厚生労働省の「平成14年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」で明らかになった。この調査は3年に1回、全国の医療施設の分布や整備などの実態を明らかにし、今後の医療行政の基礎資料とするものである。
  夕食の時間帯は食堂従業員の勤務時間のかねあいで、従来は午後4時前後などの早い時間帯が一般的であった。しかし、昼食と夕食の時間差が余りにも短く、患者からの苦情も多かったため大病院を中心にようやく改善されつつあるのが現状である。また、複数メニューの選択実施は、病床数が500床以上の病院では、平成11年の47.1%から平成14年までの3年間で66.1%と19ポイント上昇している。
  こうした、夕食面のみならず、患者サービスの向上は病院経営上も今後避けられないと厚生労働省ではみている。
【夕食の開始時間別にみた病院数】
【夕食の開始時間別にみた病院数】
厚生労働省「平成14年 医療施設調査・病院報告の概況」
●  在院患者数、在院日数は減少気味
  また、同調査によると病院における1日平均在院患者数は1,395,735人で前年に比べ0.5%減少、1日平均外来患者数は1,736,753人で3.5%の減少となっている。特に外来患者数は実数で63,380人の大幅減で、一貫して増え続けてきた外来患者はここ数年、減少傾向にある(在院患者数は横ばい状態)。
  それに平均在院日数は、37.5日と前年に比べ1.2日短くなっており、病床の種類別では「精神病棟」は363.7日、「結核病床」は88.0日、「一般病床等」は22.2日でいずれも前年に比べ日数は短くなっている。
  患者数、在院日数の減少について「原因が特定できないが、長引く不況や高齢者医療費制度の改正などが一因ではないか」と厚生労働省では話している(平成15年12月16日コメント)。
参考:厚生労働省「平成14年 医療施設調査・病院報告の概況」
2003.12.24
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