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子どものむし歯は減少、ぜんそくは増加傾向
●  10年間で倍増のぜんそく
  文部科学省は12月10日、5歳(幼稚園)から17歳(高等学校)までの、児童、生徒および幼児の発育と健康状態を明らかにした「学校保健統計調査速報」を公表した。当調査は昭和23年度から毎年実施されており、学校保健法による健康診断の結果を分析している。
  これによると、身長は男女ともここ数年ほぼ横ばい状態にあり、男子は12歳から14歳の各年齢で前年度より減少している。それに比べ、体重では高校男子が増加し過去最高、女子でも16歳が過去最高となっている。
  ぜんそくの割合は幼稚園で1.5%、小学校で2.9%、中学校で2.3%、高校では1.3%と、小学校、中学校は過去最高となった。また、幼稚園、高校でも増加傾向にあり、ぜんそくにかかる子どもは10年前と比べるとほぼ2倍に増えている。ぜんそくをはじめとするアレルギー性の病気がなぜ増えているのか、環境などのさまざまな要因が考えられるが、文部科学省では特定要因は明らかでないとしている。
●  子どもも関心が高い歯に対する健康意識
  一方、むし歯がある子どもは幼稚園で58.8%、小学校で71.3%、中学校で67.7%、高校で77.9%と、いずれも前年より2.6〜4.4%減少している。12歳の平均むし歯本数は10年前の平均4.1本から2.1本に半減しており、総体的にも減少傾向にある。文部科学省では「学校での歯磨きの指導や国民の歯にたいする健康・美容意識の高まり」が大きな要因とみている。
  厚生労働省公表の「平成11年 保険福祉動向調査の概況」でも、昭和44年当時、歯を磨く回数が1日1回の人は62.79%、2回が15.11%、3回にいたってはわずか1.77%だったのが、平成11年の調査ではそれぞれ、29.04%、48.10%、19.02%と磨く回数が格段に増えているのがわかる。
  歯に対する健康・美容意識は世代を問わず80年代以降急速に高まっているようだ。
【中学校におけるむし歯の被患率の推移】
【中学校におけるむし歯の被患率の推移】
文部科学省「平成15年度 学校保健統計調査速報」
参考:文部科学省「平成15年度 学校保健統計調査速報」
2003.12.24
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