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生命保険協会、保険広告の指針策定
  生命保険協会はこのほど「生命保険商品に関する適正表示ガイドライン」をまとめた。不適切な広告表現で利用者が誤解しないようにするためのものだ。指針策定の背景には、大手生保が広告の不当表示で公正取引委員会から排除命令を受けるなど、過当競争によって誇大広告が氾濫している実情がある。ガイドラインそのものに強制力はないが、生保各社はこの指針に沿って広告の表現見直しを進めている。
  ガイドラインの対象は広告を含む「募集用の資料等」。商品名や会社名を訴求する広告など、具体的な商品内容に触れないものは対象から外れる。生保各社は一般消費者がわかるような平易な言葉遣いをし、正確な情報が明瞭に表示することを求められる。「日本一」「最高」など最上級の表現や「業界初」「当社だけ」など唯一性を意味する表現を使う場合、その内容が客観的に実証されているか留意する。給付事由の全部または一部について契約後一定の不担保期間がある場合は「契約後●●日間は不担保期間である」などと明示する。保険金額等が被保険者の年齢、契約後の年数、入院日数、対象疾病などの条件で減額、消滅する場合も明示する必要がある。
  個別のモデルケースなどに基づく支払保険料を表示する場合、以下の項目について表示されているか留意する。
(1)保険名称
(2)契約年齢・性別
(3)保険料を表示したモデルケースの保険期間
(4)保険料を表示したモデルケースの保険料払込期間
(5)保険料払込方法(月払・半年払・年払・一時払等)と払込経路
(6)主な給付事由
(7)主な給付事由による保険金額・給付金額等
  生保商品の広告をめぐっては、公正取引委員会が2003年5月、ある生保大手のがん保険広告に不当表示があったとして、刑事告発に次いで厳しい排除命令を出した。がん保険など第三分野に生保各社の商品投入が相次ぎ、保険料や保障内容をめぐる競争が激しくなっていることが、不当表示の引き金となったようだ。金融庁は同社に対して保険業法に基づく業務改善命令を出し、再発防止策の作成や法令順守の体制整備を求めた。この事件がきっかけとなり、今回のガイドラインが策定された。
2004.01.05
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