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患者数、入院日数とも減少傾向 平成14年「患者調査」
  医療施設における患者数および入院日数が減少していることが、昨年12月25日公表された厚生労働省「平成14年患者調査の概況」で明らかになった。
  しかし高齢患者は増加しているため、今後高齢化の伸展に伴い、こうした減少傾向に変化が起きることも考えられる。
●  高齢の患者は入院、外来とも増加
  今回の調査における推計患者数は入院145.1万人、外来647.8万人で、いずれも女性の数が男性を上回った。前回(平成11年)と比較すると入院は3.2万人、外来は35.8万人減少した。
  入院・外来とも64歳以下の患者数は毎年ほぼ減少しているのに対し、それより上の65歳以上の患者数は増加している。
  なお人口10万人あたりの推計患者数を表す「受療率」は、入院・外来ともすべての年齢において前回より減少している。女性はほぼ横ばいだが、男性の減少幅が大きい。
  こうした患者数の減少には、健康保険や老人保健の改定が影響しているとする見方がある。ただし今後、高齢患者は増加の一途をたどり、患者総数を引き上げるという予測もある。
【施設の種類別にみた推計患者数の年次推移】
【施設の種類別にみた推計患者数の年次推移】
【年齢階級別にみた推計患者数の年次推移】
【年齢階級別にみた推計患者数の年次推移】
厚生労働省「平成14年患者調査の概況」
●  平均在院日数は40日を切る
  いわゆる入院日数の目安とされる「退院患者の平均在院日数」は、平均37.5日で、前回より1.8日短くなった。これは病院と一般診療所を合わせた総計で、平成2年以降、継続して短縮化が進んでいる。
  病院だけでみると前年より2.1日短い39.7日で、ついに40日を切った。一般診療所は19.0日で、前回同様20日を下回っている。
  主な疾病別では、がん(各種がんの平均)が28.4日、高血圧性疾患が45.8日、糖尿病が41.8日で、いずれにおいても前回調査より短くなった。
  医療施設では一般的に、軽快した患者の退院を促す傾向にあり、このことが平均在院日数の短縮化を促す要因の一つとされる。しかし年齢が高くなるにつれて在院日数は長くなるため、高齢化の伸展と平均在院日数の推移については今後も注意が必要である。
厚生労働省「平成14年 患者調査の概況」
病院および診療所を利用する患者について、傷病などの実態を明らかにした、3年に一度の大規模調査。保険会社では医療保障ニーズ分析のの基礎データなどとして広く活用されている。
【施設の種類別にみた退院患者平均在院日数の年次推移】
【施設の種類別にみた退院患者平均在院日数の年次推移】
厚生労働省「平成14年患者調査の概況」
2004.01.19
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