>  今週のトピックス >  No.758
簡保が定期付終身保険を発売
●  簡保の「ながいきくん(ばらんす型)」は5倍型と2倍型
  簡保から話題の定期付終身保険が発売された。簡保では従来から終身保険「ながいきくん」を販売しているが、今回発売された「ながいきくん(ばらんす型)」には、保険料払込期間満了後の終身保障部分が払込期間中の1/2になる2倍型と、同じく1/5になる5倍型の2種類がある。
[契約例]ながいきくん(ばらんす型5倍)
40歳契約/男性/60歳払込満了
基本保険金額
1,000万円
災害特約
1,000万円
疾病傷害入院特約
1,000万円
月払保険料
44,700円
(基本契約:10,600円、特約:34,100円)
[仕組図]
仕組図
●  ながいきくん(ばらんす型)は特約がポイント
  商品の仕組みは民間生保の定期付終身(全期型タイプ)とほぼ同様だが、民間生保では終身保障部分と定期特約部分の割合が比較的自由に設計できるのに対し、簡易保険では1対1(2倍型)または1対4(5倍型)に限られている。
  また、保険料の内訳を見ると、災害特約・疾病傷害入院特約の保険料が民間生保に比べてかなり高くなっているが、その反面民間生保にはない特徴も備えている。
[特約の特徴]
  1. 保険料払込期間満了後も特約の保障が減額されない
      民間生保では死亡保障に対する特約の付加割合に制限が設けられている場合が多い(死亡保険金額の1.5/1,000以下など)。このため、定期特約が満了し終身保障部分だけとなったときに入院給付金などの日額が自動的に減額されることがあるが、簡易保険では契約時の金額のままで減額されることはない。
  2. 死亡時に還付金が支払われる
      死亡時は基本契約から死亡保険金が支払われるが、特約からも還付金(民間生保の返戻金のようなもの)が支払われる。この還付金は契約の経過年数により異なるが、上記契約例において被保険者が60歳時に死亡したときの還付金は、災害特約と疾病傷害入院特約とを合わせて約714万円になる(死亡時までに特約保険金の支払いがなかった場合)。ただし、特約保険料の払込総額は約818万円のため、メリットといえるかどうかは疑問である。
●  真っ向サービスの真価が問われる1年に
  昨年4月に公社化して以来、簡易保険の販売は不振が続いており、昨年11月末現在の新契約状況は対前年同期比で20.3%の減少となっている。今回の定期付終身保険の発売は、他業界からは民業の圧迫といった批判も多いが、簡易保険制度の維持を考えると、新商品の投入は避けられないのも事実である。日本郵政公社にとっても「真っ向サービス」の真価が問われる1年となるであろう。
2004.01.19
前のページにもどる
ページトップへ