>  今週のトピックス >  No.759
大学生の就職内定率73.5%で過去最低を記録
  厚生労働省および文部科学省が今月13日に発表した『大学、短大、高専卒業予定者の就職内定状況等調査』(昨年12月1日現在)によると、大学生の就職内定率は73.5%で、過去5年間で最低となった。
●  大学生の就職内定率は、前年より3.2ポイントダウン
  今回の調査は、大学68校を対象に設置者・地域の別などを考慮して、文部科学省・厚生労働省が抽出し、その後電話・面接等の方法により集計したものである。この調査によると大学生の就職希望率は、前年比0.6ポイントダウンの69.3%で、昨年12月1日時点での就職内定率は、73.5%と3.2ポイントのダウンとなった。前年度における卒業学生の就職率をみると(平成15年4月1日現在調査の結果)、92.8%という結果となっており、今後は内定者も徐々に増えてくるものと予想される。
●  国公立大学の就職内定率、前年より4.9ポイント減少
  大学の就職内定率をさらに細かく国公立大学と私立大学に分けてみた場合、国公立大学の就職内定率は75.1%で、前年よりも4.9ポイントも下回っている。私立大学の就職内定率は73.1%(前年比2.7%ダウン)と、大学全体平均の数字よりも若干下回る程度である。国公立大学の場合は、就職希望率がもともと47.9%と低く、大学院への進学や公務員試験、資格取得を目指す人が比較的多いことが理由として考えられる。
●  経済界に採用枠拡大を要請
  大学生の就職内定率が過去最低になり新卒者の雇用情勢が依然厳しいことを受け、政府の「新規学卒者就職問題懇談会」が今月14日、都内で開かれた。この会には厚生労働省、文部科学省の両相、日本経団連会長ら経済3団体の幹部が出席した。政府側は、採用枠拡大を要請し、経済界側も「技能継承の問題などもあり、採用枠拡大を呼び掛けたい」とこれに応じている。
  高卒の就職状況はかなり回復してきているが、大卒の就職内定率が過去最低であることは大きな問題である。政府も経済界への要請だけでなく、もっと効果のある具体的な対策を自ら積極的に実行すべきではないだろうか。
【参考資料】
区 分
就職希望率
就職内定率
<参考>
前年度卒業学生の就職率
(平成15年4月1日現在調査の結果)
大 学
69.3%(▲0.6)
73.5%(▲3.2)
92.8%
うち
国公立
47.9%(▲2.4)
75.1%(▲4.9)
94.8%
私 立
79.5%(0.2)
73.1%(▲2.7)
92.2%
短期大学
78.6%(1.5)
49.6%(▲6.0)
89.6%
高等専門学校
49.2%(▲7.5)
98.3%(4.2)
95.7%
69.7%(▲0.6)
71.4%(▲3.4)
92.5%
参考:文部科学省ホームページ
(社会保険労務士  庄司 英尚)
2004.01.26
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