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若者の6割「社会に不満」 就職難と失業で
  わが国の社会に不満を持っている若者は6割近い59.4%。こんな調査結果が、1月11日付けで公表された内閣府「第7回世界青少年意識調査」で明らかになった。主な理由には就職の難しさと失業の多さが挙げられている。
●  「不満」が過去最高に
  この調査は昭和47年以降、5年ごとに実施されている。今回は日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデン、韓国において18歳から24歳までの青少年を対象に行われた。
  日本における社会への満足度では、「満足」が35.5%で、「不満」の59.4%を下回る結果となった。「不満」の割合は過去最高で、16年前の昭和63年に比べると17.6%上昇している。
  各国における不満度を比較すると、1位はドイツ(65.7%)、次に日本、3位は韓国 (58.2%)、その後はスウェーデン(23.0%)、アメリカ(21.8%)の順であった。
  自国社会の問題点として、日本で最も多いのは「就職が難しく、失業も多い」の64.6%だった。これはドイツの70.5%に次ぐ高さである。
  他国を見ると、韓国では「学歴によって収入や仕事に格差がある」、アメリカやスウェーデンでは「人種によって差別がある」が最も多く挙げられている。
【社会への満足度(日本)】
【社会への満足度(日本)】
内閣府「第7回世界青少年意識調査結果概要速報」
●  失業は増え、自国民としての誇りは低下
  若者の就職難はバブル崩壊後、年を追って厳しくなっている。卒業後、定職に就かずフリーターになる人は、12年前と比べ約3〜4倍も増えた。平成14年には高校卒業者で約4割、大学卒業者で約3割を占めている*1
  さらに、若者の失業率の上昇幅は中高年を上回っている*2)。
【年齢層別・失業率の上昇幅(平成2年と平成14年の比較による)】
【年齢層別・失業率の上昇幅(平成2年と平成14年の比較による)】
平成15年度版「国民生活白書」(原典 総務省「労働力調査」)
  なお、日本人であることに誇りを持っている者の割合は、5年前の前回調査より4.5%低い72.6%だった。平成5年以降、下落傾向が続いている。
  就職難、失業の多さを問題点と感じ、自国民としての誇りを失いかけている若者の姿が浮き彫りになってくる。
*1文部科学省「学校基本調査」による。
*2総務省「労働力調査」による。
2004.01.26
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