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中高年「老後は不安だが準備はまだ」
〜生命保険文化センター調査〜
●  約7割が「老後生活」に強い不安
  老後は不安だが、準備は特別していない――。
  昨年12月、生命保険文化センターが中高年の独身層を対象にまとめた『生活設計と金融・保険に関する調査 第5回』でこうした実態が明らかになった。
  調査は首都圏在住の35歳から54歳の独身男女が対象。昨年6月から7月に調査し、810の有効回答を得た。日ごろの生活の中で不安を感じている項目をたずねたところ、「老後の経済的生活」と答えた人は約7割に上った。次いで「自分の病気や事故」(68.9%)、「親の介護」(65.3%)、「資産形成」(62.1%)、「住宅などのローンの返済」(26.7%)が上っており、何よりも老後生活への強い不安がうかがえる。
●  資産の使途目的トップは「医療費」
  さらに、「公的年金や企業年金以外で老後を迎えるまでに、どれくらい金融資産を準備できるか」という問いに対しては「1,000万〜3,000万円未満」が29.6%と一番高く、次いで「500万円未満」(28.0%)、「500万〜1,000万円未満」(20.6%)の順となった。
  金融資産の使途目的は、「レジャーや娯楽・趣味」(62.6%)、「老後のライフワーク」(47.7%)を抑え、「医療費」が79.5%とトップに立った。次いで「介護費用」(75.8%)、「日常生活費」(70.9%)と続いた。この結果を見ると、レジャーやライフワークよりも、医療や介護などで費用がかかると考えている人が多いようだ。
●  「準備していない人」は個人年金などで準備している人とほぼ同数
  しかしその一方で「老後保障に対する準備」は「特別な準備をしていない」と答えた人が41.9%にも上った。これは「個人年金保険や生命保険」(43.2%)とほぼ同程度で、「預貯金」(31.2%)と答えた人よりも多かった。
  「老後の経済的な準備の充足感」は「足りている」がわずか6.4%だった一方、68.5%の人が「足りていない」と答えた。
  「老後の必要生活費」の回答者平均は月額25万1,000円に対し、「公的年金も含めた収入額」の回答者平均は月額18万5,000円。医療や介護の負担で、収入より支出が大きく上回るというのが共通認識だ。この調査から、老後への漠然とした不安や、備えが必要だという認識は持っているものの、行動は伴っていないというのが多くの中高年にとって現実のようだ。
2004.01.26
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