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コンビニでの地方税納付広がる
●  地方税の徴収率アップへ
  来年度からコンビニエンスストア(以下、コンビニ)で地方税を納付できる制度を取り入れる自治体が相次いでいる。地方税収納事務の委託先はこれまで金融機関や郵便局に限られていたが、地方自治法施行令改正でコンビニ収納ができるようになったからだ。住民にとっては公共料金と同様税金もコンビニで収めることができ便利になる。徴収率の低下に悩む地方自治体にとっては徴収率向上への切り札となりそうだ。
  4月から自動車税のコンビニ収納を始めるのは東京都と福岡県。東京都内の課税台数は約350万台で、新年度の税収見積もりは約1,100億円となる。通常24時間オープンのコンビニで納付する割合は4割に達すると都は見ており、徴収率アップへの期待は大きい。静岡県は来年4月にコンビニ収納を開始する予定だ。コンビニは県内で約1,200カ所あり休日や夜間でも自動車税を納めることが可能になる。京都府、大阪府、神奈川県などの主要都道府県でも自動車税についてコンビニ収納の検討を始めた。
  市町村レベルでもコンビニを活用する自治体が出てくる。東京都三鷹市では今年4月から原動機付自転車や自動二輪車、軽自動車などに課している「軽自動車税」を全国のコンビニで支払えるようにする。三鷹市では市税全体の収納率が98%だが、軽自動車税は93%にとどまっている。軽自動車税の課税対象者には、日常的にコンビニに立ち寄る若者が多く、徴収率向上につながる可能性が高い。
  愛知県知多市は10月から市民税などのコンビニ収納を始める。納税者にバーコード付きの納付書を郵送し、全国のコンビニで納めることができる。年間約5万5,000件のコンビニ納税を見込む。埼玉県草加市は市民税、固定資産税など5税を受け付ける。市税徴収率が全国平均を下回る草加市は単身者世帯の割合が高く、共働き世帯も多いためコンビニの活用に積極的だ。
●  利便性の追求で、自治体の期待高まる
  地方税の徴収率は1990年度の96%から2001年度は93%に低下している。滞納に悩む自治体がコンビニに期待をかけるのは利便性が高い上、店舗数も多いからだ。コンビニの総店舗数は約4万店と約2万5,000局ある郵便局をはるかにしのぐ規模。大手3社だけで
2004年度に約2,000店規模の出店を計画しており、店舗数の増加が続く。公共料金の収納代行の広がりで住民はコンビニでの支払いに慣れていることもあり、コンビニ収納を利用する自治体は今後も増えそうだ。
2004.02.23
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