>  今週のトピックス >  No.781
G7を終えて今後の為替介入を考える
  2月6・7日に、先進7カ国(アメリカ・フランス・イギリス・ドイツ・日本・イタリア・カナダ)財務省・中央銀行総裁会議が米国のフロリダで開催された。昨年9月のドバイ以来、約5カ月ぶりの開催であり、昨今の米ドル・円・ユーロの動向についてどのような共同声明が採択されるか市場関係者の注目は集まった。
●  G7共同声明と日本の為替介入の現状
  その共同声明であるが、「為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきであることを再確認。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。我々は、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力していく」というものであった。この共同声明によって、日本の大規模な為替介入についても、為替レートの過度の変動や無秩序な動きを防止するための措置として、米国などに一定の理解を得たのではないかとの見方が広がっている。
  では、日本は為替レートの過度の変動や無秩序な動きを防止するための措置として、いったいどれほどの額を投じているのであろうか。財務省が毎月発表している「財務省為替平衡操作の実施状況」を見れば、その額は例年にないほど巨額となっており、昨年1年間で、なんと20兆円(ほとんどが米ドル)を突破している。また、介入回数も昨年は実に82回にものぼり、前年または前々年と比べも突出している。
【財務省 外国為替介入の実施状況 (財務省HP 為替平衡操作の実施状況より算出)】
【ドル買い介入回数(財務省HP 為替平衡操作の実施状況より)】
  昨年のこの政府の姿勢は、今年の1月も継続しており、2003年12月27日〜2004年1月28日の間では7兆1,545億円の介入が行われた。
  この膨大なる介入によって、ドル/円の為替レートは2004年1月末現在においても何とか105円台を維持している。
●  政府の為替介入は当面継続か
  では、この政府の介入は今後も継続されるのであろうか?2月9日に成立した2003年度補正予算案において、財務省の為替介入資金の借入限度枠(為替介入資金の原資となる資金)が現在の79兆円から100兆円に大幅拡大された点から考えると、今年も当面の間は財務省による米ドルへの為替介入が継続的に行われ、円高阻止の対策が講じられる可能性が高いといえる。
2004.03.01
前のページにもどる
ページトップへ