>  今週のトピックス >  No.786
国内投信の外貨建て運用状況とリスク
●  投資信託の23%は外貨建て資産で運用
  社団法人投資信託協会の統計によると、平成16年1月末時点に国内で設定、販売されている契約型公募投資信託(株式投信、公社債投信、MMF)は純資産額373,727億円、2,618本である。373,727億円の運用状況をみると、23%にあたる85,862億円は外貨建てとなっている。
  このことから、国内で設定・販売されている投資信託を円で買い、保有期間中の基準価額が円で表示され、解約時に代金が円でかえってきても、その投資信託が外貨建て資産を投資対象としているという人は、少なくないとみられる。格付けの高い海外の債券で運用する投資信託などが一例で、格付けの高い海外の債券で運用する投資信託(国内で設定・販売)を取得し、定期的な収益分配金を楽しみに待つ人も多いのではないだろうか。
  投資信託協会の統計から、外貨建て運用の通貨別内訳を下に示した。
【図表 契約型公募投資信託の資産運用状況のうち、外貨建分の通貨(国)別資産運用状況】
2004年1月末
【図表 契約型公募投資信託の資産運用状況のうち、外貨建分の通貨(国)別資産運用状況】
(注)中国市場への投資は、主として米ドル建て、香港ドル建て等で行われる。
  米ドル建てが47%と半分近くを占め、次にユーロ建てが多くなっている。これらの国や地域では、資産運用市場の規模が大きく、多くの種類の投資対象資産があること、市場の法制度が比較的整備されていること、などがその要因であると考えられる。
●  外国証券取引に伴うリスク
  一般的に、金融商品に投資する場合は、価格変動リスク、信用リスク、流動性リスクなどを伴うといわれ、さらに、外貨建て資産など外国証券投資を行う場合には、為替リスク(外国為替相場の変動によるリスク)、カントリーリスク(外国証券の発行体が所在する国の政治、経済、社会情勢の変化による影響を受けるリスク)などのリスクが加わる。
  従って、国内で設定・販売される投資信託であっても、外貨建て資産を運用対象に含む場合には、投資信託の基準価額は為替リスクやカントリーリスクなどの影響を受けることになる。これらのリスクを伴う運用の状況については、投資信託の運用報告書などで知ることができる。これらの報告書には、どのような国(地域)の資産にどの程度投資しているのかが示されている。外貨建て資産を運用対象に含む投資信託を保有する場合には、さまざまなリスクを伴うことを理解し、運用報告書などから状況を読み取ることで、自分なりの見方を持てることが望ましい。
為替リスクを回避するため、為替ヘッジを行う場合がある。
2004.03.08
前のページにもどる
ページトップへ