> 今週のトピックス > No.809 |
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平成16年度税制改正・後継者等が発行会社へ自社株を売却したときの特例の創設 | ||
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![]() 平成16年度の税制改正では、相続により取得した非上場株式をその発行会社に譲渡した場合のみなし配当課税の特例が創設され、中小企業の円滑な事業承継を支援する改正が行われた。
![]() ● みなし配当課税ではなく、譲渡益課税に
改正前は非上場株式を発行会社に売却した場合、資本等の金額を超える部分は配当とみなされ、配当所得として最高50%(所得税+住民税の最高税率)の税率で課税されていた。
しかし、平成16年度の税制改正で、相続または遺贈により取得した非上場株式を、相続後一定期間内*に、その発行会社に譲渡した場合には、「みなし配当課税」とせず、「譲渡益課税」とされることになった。これにより、これまで最高50%の負担とされていた税率が20%に軽減された。注意したいのは、みなし配当課税が廃止されたわけではなく、相続により非上場株を取得した場合、その他一定の要件を満たしたときに限り、譲渡益課税になる特例が創設されたということである。この改正は、平成16年4月1日以後の相続等により取得した非上場株式を同日以後にその発行会社に譲渡する場合について適用される。 ![]() *相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までの間
![]() 【図表 相続人が相続により取得した非上場株式を発行会社へ売却した場合の課税の特例のイメージ】
![]() ![]() さらに、平成16年度の税制改正では、非上場株式の譲渡益に対する税率が引き下げられており、整理をすると次のようになる。
<注>上記1.については平成16年1月1日以後に行う株式の譲渡について、2.3.については平成16年4月1日以後の相続等により取得した非上場株式を同日以後にその発行会社に譲渡する場合について適用される。
![]() ● 自社株買取資金準備のための生命保険活用
この特例の創設は金庫株を活用した円滑な事業承継を支援している。相続人の立場からすれば、会社に自社株を売却する場合は税金がかかり、その分、手取り額(=納税資金)が少なくなるのであるが、「みなし配当課税」ではなく「譲渡益課税」とされたことで手取額が増加することになった。自社株買取資金を生命保険で準備する手法があるが、このことを話題にしたアプローチも考えられるのではないだろうか。その場合には、内容が専門的になるため、会社の顧問税理士などとのタイアップが必要になってくるであろう。
![]() 【図表 自社株買取資金を生命保険で準備する場合の仕組み】
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2004.04.19 |
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