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財務省、国税庁がホームページ上に平成16年度税制改正内容の解説ツールを公表
  平成16年度税制改正は、年金課税の適正化による財源の確保を念頭においた個人課税の見直し、特に土地・住宅税制の見直しが特徴的であるが、それ以外にも中小企業の事業承継の円滑化を後押しする改正など多岐に渡っている。財務省および国税庁は国民に理解してもらうために、ホームページ上で、平成16年度の税制改正の内容を解説するツールを設けている。制度改正を正しく理解するのに役立つこれらのツールの一部を紹介してみたい。
●  パンフレット「平成16年 税制改正」(財務省作成 16ページ)
  平成16年度税制改正のポイントとして、経済活性化と構造改革に資する5本柱という視点からまとめてある。イラストと図表を多用し、できる限り文字数を減らしているので見やすい構成となっている。
1.資産活用の促進による資産デフレへの対応
・・・住宅、土地関連
2.事業の再構築と前向きな企業活動の支援
・・・中小企業関連
3.少子高齢社会への対応
・・・年金課税関連
4.地方分権の推進
・・・税源移譲
5.国際的な投資交流の促進
・・・日米租税条約の全面改正
  また、補足資料として、平成16年度税制改正による増減収見込み額や、平成16年度の歳入と歳出のデータも掲載されており、より広い視点から国の財政事情が概観できる。さらに抜本的税制改革への取り組みとして、平成17、18年度には定率減税の縮減・廃止、個人所得課税の抜本的見直し、平成18年度までに所得税から個人住民税への税源移譲の実現、そして平成19年度をめどに消費税を含む抜本的税制改革を実現(いよいよ消費税率の引き上げか?)とあり、今後の税制改正の方向性をうかがうことができる。
●  「個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の平成16年度 税制改正のあらまし」
(国税庁作成 8ページ)
  税制改正内容のうち、土地・建物、株式など個人の資産に関するものをピックアップして集約。土地・建物に関するものから中小企業の株式などに関するものまで、13の改正項目について解説がコンパクトにまとめられている。中でも今回の改正で大きなインパクトを与えた「土地・建物等の譲渡損失の損益通算および繰越控除の不適用」については分かりやすく図解がされている。また、この損益通算および繰越控除が例外的に認められる2つの特例規定(「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」と「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」)については、似通っている規定であるがこれら2つの特例規定の適用要件について比較してまとめられているので、特例の適用にあたり、何が必要で、どこが異なるのかを整理する際に役立つだろう。
参考:「平成16年 税制改正」、「個人の方が土地・建物等〜」
2004.05.31
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