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● 「資本金1円会社」の設立は137%の伸び
平成15年2月1日より「最低資本金規制特例」が施行されているが、この度、法務大臣の諮問機関である法制審議会は、期間限定の特例を恒久的な制度とする方針を固めた。
法務省は、現行商法の会社法部分を独立させ、新しい会社法案を来年の通常国会に提出する考えで、法制審議会会社法部会ではこれに合わせて、会社設立時に払い込まなければならない資本金について「下限額に制限を設けない」とすることで基本的に合意した。
平成20年までの特例として認めているが、下記の法人成立届の表の「資本金1円会社」は、3月5日発表現在412件から6月4日発表現在564件と152件増で約137%の伸びを示している。最近の株高でもうかがえるように、本格的な景気回復を受けて、さらに起業が増加することが予想できる。
[ ]は1円会社の数
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成立届書(3月5日現在)
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成立届書(6月4日現在)
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伸展率*
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株式会社
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有限会社
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合計
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株式会社
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有限会社
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合計
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北海道
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148[ 2]
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348[ 16]
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496[ 18]
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188[ 3]
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492[ 26]
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680[ 29]
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161
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東北
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112[ 3]
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254[ 12]
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366[ 15]
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142[ 6]
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324[ 13]
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466[ 19]
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127
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関東
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2,355[ 66]
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2,982[165]
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5,337[231]
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3,130[ 97]
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4,049[222]
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7,179[319]
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138
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中部
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274[ 8]
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441[ 14]
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715[ 22]
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346[ 11]
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573[ 19]
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919[ 30]
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136
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近畿
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703[ 22]
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883[ 57]
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1,586[ 79]
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936[ 34]
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1,191[ 72]
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2,127[106]
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134
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中国
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94[ 2]
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231[ 8]
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325[ 10]
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128[ 3]
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295[ 11]
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423[ 14]
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140
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四国
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35[ 3]
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94[ 7]
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129[ 10]
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47[ 3]
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120[ 9]
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167[ 12]
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120
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九州
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207[ 6]
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465[ 21]
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672[ 27]
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267[ 6]
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622[ 27]
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889[ 33]
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122
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沖縄
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11[ 0]
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39[ 0]
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50[ 0]
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14[ 0]
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50[ 2]
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64[ 2]
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200
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全国計
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3,939[112]
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5,737[300]
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9,676[412]
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5,198[163]
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7,716[401]
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12,914[564]
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137
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*伸展率=(6月4日現在の1円会社数合計)÷(3月5日現在の1円会社数合計)
出典「経済産業省関東経済産業局 最低資本金規制の特例について(6月4日現在)」
● 「最低資本金規制特例」の手続きの概要
「最低資本金規制の特例」は、インターネットを活用した事業や、技術開発型ベンチャーなど、手持ち資金が乏しくても創業できる分野での起業を容易にするのが目的で、手続きの流れは以下のとおりとなっている。
(1)定款の作成・認証
定款に「新事業創出促進法第10条の18」による特例の解散事由を記載
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(2)創業者であることの確認手続
所定様式の「確認申請書」の原本1通とそのコピー1通に、以下の書類を添付して、会社の本店所在地を管轄する経済産業局に提出
- 定款(公証人の認証済みのもの)のコピー
- 創業者であることの誓約書(所定様式)
- 事業を営んでいない個人であることを証明する書類(指定の添付書類)
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(3)設立登記
確認日から2カ月以内に、取締役選任等の商法・有限会社法上の設立手続を終え、設立登記申請書に確認書を添付して、法務局に提出(特別の解散事由を登記)
⇒経済産業大臣の確認を受けた創業者の設立する株式会社・有限会社については商法・有限会社法の最低資本金規制が設立の日から5年間は適用除外
- 会社設立の届出
- 配当制限の特例
- 計算書類の提出・貸借対照表の公衆縦覧
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最低資本金以上とする増資
増資後、経済産業局への届出が必要
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合名会社への組織変更
組織変更後、経済産業局への届出が必要
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成立から5年の経過による解散
最低資本金以上の増資または組織変更をしなかった場合
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「経済産業省関東経済産業局 最低資本金規制の特例について」を参考に作成
参考:「経済産業省関東経済産業局」
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