>  今週のトピックス >  No.852
給与の減少傾向続く
●  現金給与は3年連続減少
  厚生労働省が5月に発表した「毎月勤労統計調査(平成15年度分結果確報)」によると、現金給与総額は3年連続で減少し、所定外労働時間は6年連続の減少から15年度は増加に転じたことがわかる。この調査は、従業員5名以上の事業所を対象としているため、中小・零細企業の実態を反映したものとなっている。
  平成15年度の一人平均月間現金給与総額は、前年度比0.9%減で339,471円となった。現金給与総額のうち、きまって支給する給与は、0.4%減の277,286円となった。また、所定内給与は、0.7%減の258,603円で、所定外給与は、3.3%増の18,683円、特別に支払われた給与は、3.3%減の62,185円となった。
●  製造業以外の賃金指数は低下を続ける
  下記図表1は、業種別の賃金指数の推移を示したもので、平成12年度を100としている。賃金指数(業種計)は、平成12年度から5.5ポイント低下している。業種別では、卸・小売業は6年連続の低下であるうえ、17ポイントも下がっている。サービス業も6年連続の低下だが、低下の割合は、6.1ポイントにとどまっている。一方、製造業は2年連続の低下の後、15年度は上昇している。
  現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は0.1%減の413,573円となり、パートタイム労働者は1.2%増の94,387円となった。
  次に、平成15年度の一人平均月間総実労働時間は、規模5人以上で前年度比0.3%増の152.7時間となった。総実労働時間のうち所定内労働時間は、0.1%増の142.6時間、所定外労働時間は4.1%増の10.1時間となった。また、製造業の所定外労働時間は8.5%増の15.2時間となった。なお、月間の時間数を12倍して年換算すると、総実労働時間は1,832時間、所定内労働時間は1,711時間となった(平成14年度総実労働時間1,826時間、所定内労働時間1,710時間)。総実労働時間を就業形態別にみると、一般労働者は0.8%増の169.7時間となり、パートタイム労働者は1.2%増の96.3時間となった。
  業種別にみると、卸・小売業における総実労働時間の減少が著しい。それ以外の業種は、15年度は増加に転じている(図表2)。
【図表1 業種別賃金指数推移】
【図表1 業種別賃金指数推移】
【図表2 総労働時間指数の推移】
【図表2 総労働時間指数の推移】
図表1・2の出典「厚生労働省 毎月勤労統計調査(平成15年度分結果確報)」
(可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン主席コンサルタント、CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2004.07.05
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