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企業における育児支援の現状
●  育児休業制度の取得者がいた企業は、91.9%
  東京都は、企業における育児・介護と仕事との両立支援の実態を調査した(「男女雇用平等参画状況調査結果報告書」(2004年3月))ので、そのうちの育児支援について結果概要を報告する。
  まず育児休業については、勤務先企業での育児休業規程の有無によって、取得状況が大きく異なる。就業規則等で育児休業の規程がある事業所は84.0%と大部分の企業が育児休業規程を整備している。ただし、従業員規模100人未満の企業では、規程が整備されていない企業は31.5%と多くなる。規程での休業期間は「1歳まで」とするのが大部分(81.1%)であるが、「1歳以上」とするものも8.8%ある。
  調査期間中に規程上の育児休業対象者がいた企業のうち、実際に育児休業取得者がいた企業は91.9%である。
  育児休業取得者が休業している期間の仕事の穴埋め方法は、
  1. 代替要員の採用(35.1%)
  2. 「配置転換等」(25.0%)
  3. 「他の従業員の業務量増」(24.7%)
となっている。企業規模別にみれば、300人未満の企業では代替要員を採用することが多く、300人以上の企業では配置転換等で対応することが多い。
  育児休業後は大部分が復職している(女性・82.8%)。復職後の職場配置は、現職に復職したものが84.7%である。
  復職する際に、復職予定者と会社側が相談・面接を行っている企業は47.6%にとどまる。またその際に、教育・訓練を行っている企業は、12.9%に過ぎない。
●  育児支援制度は短時間勤務が最も普及
  育児を支援する制度の導入率は、
  1. 短時間勤務(55.5%)
  2. 所定外労働の免除(41.0%)
  3. 始業・終業時刻の変動(40.2%)
  4. フレックスタイム(18.3%)
となっている。となっている。いずれの制度もない企業は28.6%であり、特に100人未満の企業では50.7%が何もないと回答している。
  子どもの年齢によって、これらの制度の利用制限があり、下表のように短時間勤務制度については1歳未満に限定している企業が41.1%と多い一方、フレックスタイムは年齢に関係なく利用できる企業が44.7%である。
【図表 育児支援制度ごとの子どもの年齢による利用制限】
(単位:%)
 
1歳未満
1歳〜
3歳未満
3歳〜
小学校入学前
小学校入学〜
短時間勤務
41.1
37.6
16.2
5.1
所定外労働の免除
35.5
26.9
31.3
6.4
始業・終業時刻の変動
40.4
35.6
13.8
10.2
フレックスタイム
24.8
16.8
13.7
44.7
出典:「東京都産業労働局 平成15年度 企業における両立支援の実態に関する調査」
(可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン主席コンサルタント、CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2004.07.12
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