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「平成15年 簡易生命表」の発表
●  平均寿命は引き続き伸長
  7月16日に、厚生労働省より「平成15年 簡易生命表」が発表された。
  それによると、男性の平均寿命は78.36年、女性の平均寿命は85.33年であり、前年と比較して男性は0.04年、女性は0.10年伸長した。男女の平均寿命の差は、6.97年で前年より0.06年拡大した。
  リタイアメントプランニングにおいて重要な平均余命(特定の年齢の者が今後生存する年数)については、60歳での平均余命は男性21.98年・女性27.49年、65歳では男性18.02年・女性23.04年で、男性の老後生活期間は22年間に迫っているということができる。
  0歳の男女の平均余命が特に平均寿命といわれているが、それに対して0歳の者が特定の年齢まで生存している確率も表すことができる(生存確率とでもいえる値である)。例えば、65歳まで生存する割合は男性で85.3%、女性で93.0%である。ほとんどの男女が65歳までは生きることが分かる。80歳まで生存する割合は男で54.5%、女で76.3%となっている。
  また、ある年に生まれた年齢層は、死亡者が増え生存者が減少していくという経過をたどるが、半数が死亡し、半数が生存している年数を寿命中位数という。寿命中位数は男性が81.35年、女性が88.09年である。平均寿命を、男は2.99年、女は2.76年上回っている。
●  3大死因で半数以上が死亡
  生存者は何らかの死因で死亡することになるが、ある年齢の者が将来どの死因で死亡するかを表したものが死因別死亡確率である。
  0歳では男女とも悪性新生物で将来死亡する確率が最も高く、心疾患、脳血管疾患の順になっている。3大死因で全死因の過半数を占め、男性では死因全体の約57%、女性では約55%である。65歳では0歳に比べ悪性新生物の死亡確率が低く、肺炎など他の死因での死亡確率が高くなっている。80歳ではさらにこの傾向が強くなっている。男女とも0歳、65歳、80歳の各年齢で、3大死因(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患)の死亡確率は全体の半分を超えている(下図表参照)。
  また、前年と比較すると、男女ともに脳血管疾患の死亡確率は低くなっているが、心疾患、肺炎の死亡確率は高くなっている。3大死因を男女別にみると、悪性新生物は男性の最大死因であるが、女性は心疾患、脳血管疾患が死因となる割合が高いことが分かる。
【図表 死因別死亡確率(主要死因)】
[男]
【図表 死因別死亡確率(主要死因)】男
[女]
【図表 死因別死亡確率(主要死因)】女
出典:「厚生労働省 平成15年 簡易生命表」
(可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン主席コンサルタント、CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2004.07.26
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