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保険料収入が6年ぶりに拡大 ― 個人年金保険の銀行窓販解禁が後押し
  生命保険協会がまとめた2003年度の生命保険会社40社の事業概要によると、保険料収入が6年ぶりに拡大に転じたことが分かった。銀行で個人年金保険の窓口販売が解禁され、変額年金や外貨建て定額年金の販売が急増したのが要因だ。一方で「家計のリストラ」による保険の絞込みが響き、主力の個人保険は新規契約件数、金額とも七年連続で前年を下回った。
●  保険料収入1.8%増
  2003年度の保険料収入は40社合計で約25兆9,609億円と前年度比1.8%増だった。増収に寄与したのが個人年金保険の拡大だ。新規契約件数は前年度比48.4%増の約111万4,000件、金額も52.6%増の約5兆1,999億円となり、2年連続で増加した。富裕層を中心に変額年金保険の販売が伸びたことが寄与した。
  個人年金保険は日本版ビッグバンの一環で銀行窓口での販売が2001年10月から解禁になった。これにより変額年金市場は1年半で3兆円規模に急拡大した。低金利の続く預金に代わる運用先として人気を集めている。
  ちなみに銀行の窓口販売は1998年12月に投資信託販売が解禁されたあと、住宅ローンに付随して売られる長期の火災保険など一部の損保商品が2001年4月から解禁されている。消費者にとっては銀行で多様な金融商品が購入できるメリットがある。
●  個人保険の新規契約金額は16%減
  一方個人保険の新規契約件数は前年度比4.8%減の約1,316万7,000件。金額も16.0%減の101兆3,811億円と前年割れだった。死亡保険は長く続いた景気低迷や少子高齢化の影響で家計の需要が縮小。死亡保険への依存度が高い大手生保は9社合計の保険料が減収だった。消費者の生保離れを背景に減収が続く国内大手と対照的に、個人年金を専門に扱う外資系などが収入を伸ばした。
  保険料収入は95年度の約30兆円がピークで、98年度以降減少が続いた。家計の収入が伸び悩み、保険料負担が大きい死亡保障保険の販売が停滞したことが主な要因だった。各社とも従来型の死亡保障中心の保険を見直し、医療や年金分野の強化に乗り出している。
2004.08.02
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