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勤労者世帯の貯蓄残高は1,292万円に
●  勤労者世帯の貯蓄残高は0.9%上昇
  総務省から「家計調査(貯蓄・負債編)調査結果」の平成15年平均結果の概況が公表された。これによると、平成15年平均の1世帯当たりの貯蓄残高は1,690万円で、前年に比べて0.1%増加した。勤労者世帯に限ると1世帯当たり1,292万円で、前年に比べて0.9%増加している。
  一方、世帯ごとの年間収入は減少しており、勤労者世帯では年間収入が721万円と前年に比べ3.6%減少した。結果的に貯蓄残高の年間収入に対する比率が上昇し、前年より8.1ポイント高い179.2%となった。
  勤労者世帯の貯蓄残高の分布を見ると、200万円未満の世帯が16.5%と最も多い。しかも、67.8%の世帯が平均を下回っているため、世帯分布の中位となる貯蓄残高は平均より約480万円低い808万円となる。
●  郵便局は苦戦が続く
  勤労者世帯の貯蓄の内訳を見ると、定期性預貯金が548万円と最も多く、次いで生命保険383万円、通貨性預貯金200万円と続く。また、貯蓄残高の少ない世帯ほど通貨性預貯金の割合が高く、反対に貯蓄残高の多い世帯ほど定期性預貯金および有価証券の割合が高い。
  貯蓄残高および構成比の種類別順位は前年と同様であるが、金額・構成比ともに通貨性預貯金や債券・公社債投信が増加している。なお、郵便局の定期性貯金は金額・構成比ともに減少する結果となり、簡保だけではなく郵貯においても苦戦を強いられている現状が明らかとなった。
【図表1 貯蓄の種類別現在高及び構成比(勤労者世帯)】
【図表1 貯蓄の種類別現在高及び構成比(勤労者世帯)】
※( )内は、貯蓄現在高に占める割合
●  負債の91.6%が住宅取得資金
  一方、負債残高は減少している。平成15年の勤労者世帯の1世帯当たりの負債残高は605万円で前年に比べて0.3%の減少となった。負債の内訳を見ると、住宅・土地のための負債が554万円と負債残高の実に91.6%を占める。また、負債残高の年間収入に対する比率は83.9%となり、前年に比べて2.8%上昇している。勤労者世帯にとって、土地や住宅の取得がいかに負担となっているかがうかがえる。
  いずれにしても、年間収入の減少が続く限り勤労者世帯にとって厳しい状況が続くことになる。1日も早い景気の回復が望まれる。
【図表2 負債の種類別現在高及び構成比(勤労者世帯)】
【図表2 負債の種類別現在高及び構成比(勤労者世帯)】
※( )内は、負債現在高に占める割合
出典:総務省「家計調査報告(二人以上の世帯) 平成15年平均結果の概況(貯蓄・負債編結果)」
2004.08.16
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