>  今週のトピックス >  No.903
総人口の約5人に1人は、65歳以上
●  10年後には、4人に1人が65歳以上となる見込み
  総務省統計局は、9月19日に「統計からみた我が国の高齢者―『敬老の日』にちなんで―」を発表した。同発表によると総人口の約5人に1人は65歳以上で、高齢者(65歳以上)人口およびその割合でも過去最高となった。これを男女別にみると、男性は1,049万人(男性人口の16.9%)、女性は1,435万人(女性人口の22.0%)となっている。
  総人口に占める高齢者人口の割合を推移でみると、第1回国勢調査が行われた大正9年以降、昭和25年ごろまでは5%程度で推移していたが、昭和25年以降は、年々上昇している。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この割合は今後も上昇を続け、10年後の平成26年には25.3%と、総人口の約4人に1人が65歳以上になると見込まれている。
●  高齢者の就業割合は、欧米よりも高い
  日本の高齢者の就業者数は約477万人で、65歳以上人口に占める就業者の割合は19.7%となっている。欧米諸国における65歳以上人口に占める就業者の割合をみても、アメリカ合衆国が13.5%、カナダが7.1%、イギリスが5.8%、イタリアが3.3%、ドイツ2.9%、フランス1.1%となっており、日本が欧米諸国より高い水準にあることがわかる。
  就業することにより、年金の総支給額を軽減することにもつながるし、仕事に従事し日々刺激を受けることにより痴ほうを防止する効果も期待できる。世界有数の長寿大国である日本は、少子高齢化の問題に直面しており、今後労働力不足になることが明らかな現状から考えても政府は、高齢者に少しでも長く働いてもらいたいと思っているに違いない。
  シルバーマーケットの85%以上は元気な高齢者で占められているという別の調査結果もある。このマーケットをよく知る元気な高齢者が、新商品・新サービスの開発・提供をすれば、マーケットの活性化に貢献することができる。
  今後半世紀で高齢化が急速に進展することになり、予測できないような様々な問題が起こる可能性はあるが、政府がその都度適切な対応をしてくれることに期待したいところである。
【図 高齢者人口の割合の推移】
【図 高齢者人口の割合の推移】
出典:総務省統計局ホームページ
(社会保険労務士 庄司 英尚)
2004.10.04
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