> 今週のトピックス > No.919 |
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経営幹部を育成する選抜研修 |
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![]() ● 選抜研修実施企業は過半数
企業が将来の経営幹部の育成に向けて実施する選抜教育の現状と課題に関する調査がまとまった。
こうした選抜研修を実施していると回答した企業は53.7%に上る。導入検討企業の26.9%を含めると80.6%にのぼる。実施している企業に対して今後の方向性を尋ねると「今以上に力を入れたい」とする企業が54.3%と「現状維持」の42.9%を上回り、今後、選抜研修への取り組みは強化されそうである。 選抜研修で重視したい内容を見ると「マネジメント全般の知識(79.4%)」が最も多く、「リーダーシップ(48.5%)」、「組織の方向性やビジョンを描く構想力(41.2%)」がそれに続く。さらにそれ以降も、「判断力(29.4%)」、「発想力(26.5%)」、「実践的な課題解決力(25.0%)」と続くが、いずれもマネジメントスキルに関する内容になっている。 少数意見として「歴史・宗教・哲学企業倫理、リスクマネジメント、ガバナンス」といった内容が続くが、本来、経営判断の基軸を作るために不可欠な知識・能力形成が不足していることが懸念される。 ![]() ● 社長就任年齢は52.0歳が望ましい
現在、選抜の対象とされている役職は、課長クラスが74.6%と最も多く、次に部長クラスの61.2%となっている。また、開始年齢は36歳ころが望ましいと、経営層に近い部課長クラスが切磋琢磨(せっさたくま)している様子がうかがわれる。一方で、係長・主任クラスを対象とする企業も29.9%あり、すでに経営幹部として選抜されていることは注目に値する。企業が望ましいと考える社長の就任年齢は52.0歳であることを考え合わせるとうなずける。
![]() ● 課題は選抜漏れ社員のフォロー
すでに選抜研修を実施している企業では「受講者が多忙である、良いプログラムがない、予算がない」といった運営上の課題点をあげているのに対して、実施してない企業は「選抜基準の設定方法と選抜漏れ社員のモチベーション維持」といった受講者選抜に関する課題点をあげている。しかし、選抜に漏れた社員のモチベーションのフォローをしている企業は8.3%に過ぎず、社員全体の育成には課題を残している。
![]() 【図表1 選抜研修の課題点】
(単位%、複数回答)
![]() ![]() 出典:(財)社会経済生産性本部「将来の経営幹部育成に向けた選抜研修に関する調査」
![]() (可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン主席コンサルタント、CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
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2004.11.01 |
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