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昇給・賃金水準の現状
●  依然として残る男女格差・企業規模格差
  今年の賃金と昇給・ベースアップの状況の調査結果が報告された。
  大卒の標準者(転職ではなく、学卒入社者)である男性従業員の賃金(所定内労働時間賃金)は、図表のように22歳で20万6,000円、30歳で31万4,000円、40歳で46万8,000円、50歳では61万2,000円で、22歳と50歳では3倍の格差となっている。
  男女別では、30歳で3万5,000円、40歳で6万7,000円、50歳で11万5,000円と、年齢とともにその格差は広がっている。
  企業規模別に見ると、100〜299人企業と3,000人企業を比較した場合、100〜299人企業が22歳時に6,000円上回っているものの、30歳時では3万3,000円、40歳時では5万9,000円、50歳時では10万円と3,000人企業が上回り、年齢とともに賃金格差が広がっている。
  また役職別の賃金は、係長(平均年齢41.5歳)で8万2,000円、課長(46.2歳)で49万9,000円、部長(51.9歳)で64万5,000円、取締役部長(55.3歳)で81万2,000円となっている。
●  数年実施されないベースアップ
  賃上げ率は年々低下しており、バブル末期の1992年には5.3%であったものが、2004年は1.9%に止まっている。賃上げはベースアップと昇給に分けられるが、ベースアップは0.03%と、ここ数年ないに等しい。調査企業の約9割の企業は「昇給は実施したが、ベースアップはない」と回答している。
  2004年の昇給率は1.87%。昇給率は1992年でも2.3%と、ここ10年以上2%前後の水準で安定して推移していることが分かる。
  賃金の決定方法としては、年俸制の導入も進んでいる。回答企業のうち、約4割が年俸制を導入していると回答した。管理職に年俸制を適用している企業がそのうちの約8割を占めている。
  また属人的な賃金である手当については、9割以上が家族手当・扶養手当を支給している。
【図 大卒年齢による賃金推移(男女別)】
【図 大卒年齢による賃金推移(男女別)】
注:小数点以下切捨て
参考:日本経団連「2004年6月度定期賃金調査結果」
および「2004年1月〜6月実施分昇給、ベースアップ実施状況調査結果」
(可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン主席コンサルタント、CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2004.12.20
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