>  今週のトピックス >  No.952
減税項目
〜2005年度与党税制改正〜
  自民党税制調査会が15日に発表した税制改正大綱は、総じて増税色の強い内容となっているが、その中でもいくつか、納税者にとって有利に働く可能性がある減税項目について整理しておきたい。
●  人材投資減税
  まず、人材投資減税といわれるものだ。これは、人材投資(教育訓練)促進税制という形で創設される予定で、対象は青色申告書を提出する法人(個人にも適用される可能性は高い)。3年間の時限措置ではあるが、「お金が出て行かない」節税対策として活用できるため有効なものである。
  具体的な税額控除の金額は、「基本制度」が増加額であるのに対し、中小企業向けの「特例制度」が、総額に対して適用される。
基本制度
(今期の教育訓練費−過去2年間の平均教育訓練費)×25%(法人税の10%が頭打ち)
特例制度
教育訓練費総額×税額控除率(法人税額の10%が頭打ち)
 税額控除率→増加率の2分の1(上限20%)
 増加率→(今期の教育訓練費−過去2年間の平均教育訓練費)÷過去2年間の平均教育訓練費
  中小企業の場合は、特例制度を活用し、総額に対し増加率の半分に相当する税額控除率(上限20%)を乗じた金額の税額控除が認められている。もちろん、基本制度との選択は可能である。加えて法人税額控除後の金額を、法人住民税の課税標準とすることになっている。
  対象費用は、講師・指導員等経費、教材費、外部施設使用料、研修参加費、研修委託費などで、2005年4月1日以後に開始する事業年度から適用される予定だ。
●  中古住宅も住宅ローン減税適用可
  もう一つの減税項目は、住宅ローン減税の改正点である。一定の耐震性能を満たしていることを条件としながらも、築年数に関係なく住宅ローン減税が適用できることとした。
  今までの住宅ローン減税では、中古住宅の場合、非耐火建築物(木造住宅など)で築後20年以内、木造以外の耐火建築物(マンションなど)などで築後25年以内という条件だったため、中古住宅の流通を阻害しているという指摘があった。
  今回、住宅借入金などを有する場合の所得税額の特別控除の適用対象となる既存住宅(中古住宅)の範囲に、「地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準、またはこれに準ずるものに適合する一定の既存住宅」が加わることになる。
  適用時期は、2005年4月1日以降に既存住宅の取得をし、自己の居住の用に供する場合となる。
(今村 仁、今村仁税理士事務所代表、税理士、宅地建物取引主任者、1級FP技能士)
2004.12.27
前のページにもどる
ページトップへ