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社会保険料控除の添付書類を義務化
〜2005年度与党税制改正〜
●  社会保険料控除の添付書類
  2005年度与党税制改正大綱によると、社会保険料控除を受けるための条件として、国民年金保険料の納付証明書の添付を義務付けることとし、平成17年分以降から実施の予定だ。
  今まで社会保険料控除を受けるためには、サラリーマンの年末調整の場合は、給与天引きのため、証明不要もしくは保険料控除申告書に記入するだけでよく、確定申告が必要な人も確定申告書に記入するだけでよかった。
  しかしこれでは容易に不正を行うことができることや、国民年金の未納率が約4割といわれている現在、国民年金の未納対策としての期待もうかがえる。
  社会保険庁は、もともと2005年度以降の対策として、国民年金保険料の納付証明書類を保険料納付者に発行し、確定申告においてその書類の添付を義務付けることを検討していた。それを今回の税制改正で、財務省と厚生労働省管下の社会保険庁が具体策を提示したといえる。
●  社会保険料控除とは?
  社会保険料控除は、納税者が自分自身の社会保険料を支払った場合、または納税者と生計を一にする配偶者や、そのほかの親族の負担すべき社会保険料を支払った場合に受けられる所得控除である。控除できる金額は、その年中に実際に支払った金額または給与から天引きされた金額の合計額である。
●  社会保険料控除の対象範囲
  社会保険料控除の対象となる社会保険料は次の通り。
  1. 健康保険、雇用保険、国民年金、厚生年金保険および船員保険の保険料で被保険者として負担するもの
  2. 国民健康保険の保険料または国民健康保険税
  3. 介護保険法の規定による介護保険料
  4. 国民年金基金の加入員として負担する掛け金
  5. 厚生年金基金の加入員として負担する掛け金
  6. 労働者災害補償保険の特別加入者として負担する保険料
  7. 国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、国会議員互助年金法、恩給法等の規定による掛け金、納付金または納金
  8. 地方公共団体の職員が条例の規定によって組織する互助会の行う職員の相互扶助に関する制度で、一定の要件を備えているものとして所轄税務署長の承認を受けた制度に基づきその職員が負担する掛け金
  9. 独立行政法人農業者年金基金法の規定により、被保険者として負担する農業者年金の保険料
  10. 公庫等の復帰希望職員の掛け金
  11. 健康保険法附則または船員保険法附則の規定により、被保険者が承認法人等に支払う負担金
(所法74 所令208 措法41の7)
(今村 仁、今村仁税理士事務所代表、税理士、宅地建物取引主任者、1級FP技能士)
2005.01.05
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