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大卒予定者の就職内定率、74.3%
  厚生労働省および文部科学省は1月12日、平成16年度大学等卒業予定者の就職内定状況などを共同で調査し、このほど平成16年12月1日現在の状況を取りまとめ発表した。
この調査結果によると、大学生の就職内定率は74.3%で、前年同期を0.8ポイント上回った。
就職希望者に占める内定取得者の割合。
●  大卒予定者の就職内定率は、男女とも前年同期を上回る
  大学の就職内定率は74.3%で、前年同期を0.8ポイント上回る結果となった。これを男女別にみると、男子は75.3%で前年同期を0.9ポイント上回り、女子も72.9%で前年同期を0.5ポイント上回った。男女ともに昨年の同期に比べると、少しではあるが前年同期を上回る結果となった。明るい兆しもあるが、前々年の同期(平成14年 男性79.0%、女性67.0%)と比べると、まだまだ内定率は高いとはいえず、来年の数字がどのようになるか注目したい。
●  大学地域別内定状況は、地域により大きな差
  内定状況を地域別にみると、前年同期比で北海道・東北地区の大きな低下が気になるところである。また関東地区と中国・四国地区の差は、前年ほどではないものの、それでも約20%の差があり、地域により大きな差があることが読みとれる。
【地域別内定状況(大学)】
地域
内定率
北海道・東北地区
68.0%(▲4.9)
関東地区
80.1%(▲1.1)
中部地区
73.1%(2.4)
近畿地区
76.1%(2.6)
中国・四国地区
60.2%(6.2)
九州地区
65.7%(0.2)
●  文系より理系のほうが就職内定率は高い
  文系・理系別にみると、文系が73.2%(前年比+0.2%)、理系が79.3%(前年比+3.3%)という結果になった。また文系の中でも国公立大学と私立大学別の就職内定率は、国立76.8%、私立大学72.4%という差があった。国公立大学卒業予定者は、そもそも就職を希望する人の割合が私立大学よりかなり少ないことも大きな特徴となっている。
  短期大学の就職内定率(女子学生のみ)は49.2%と、約2人に1人はまだ内定をもらっていないという厳しい現実も明らかとなった。
  厚生労働省では大学など新卒者への就職支援として、全国の学生職業センターなどで各種就職関連情報(求人情報、イベント情報など)の提供、職業相談などの支援の実施、就職面接会などを通じたマッチングの促進などの取り組みを進めているが、民間のサービスと比較するとまだまだ大きな差があるように思われる。
  こうした就職支援を積極的に推進し、大学等新卒者の就職促進を図ることが、内定率のアップにつながるはずであり、今後はサービスの質の向上が課題となるだろう。
【内定(就職)率の推移(大学)】
参考:厚生労働省発表「平成16年度大学等卒業者就職内定状況調査について」
(庄司 英尚、庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2005.01.24
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