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母子世帯、5年前に比べ約28%増大
  厚生労働省は今月19日、2003年度の「全国母子世帯等調査結果報告」を発表した。調査日(平成15年11月1日)現在の母子世帯数は122万5,400世帯で、前回調査(平成10年11月1日)に比べ27万500世帯、28.3%の増加となっている。国民生活基礎調査(平成15年6月)の全世帯数(4,580万世帯)に占める母子世帯の割合は2.7%だった。
●  父子世帯は、5年前に比べ6.4%増大
  父子世帯数は17万3,800世帯で、前回調査に比べ1万400世帯、6.4%の増加となっている。国民生活基礎調査の全世帯数に占める父子世帯数の割合は0.4%だった。
  父子世帯になった理由は、前回調査に比べ、生き別れによるものが31.4%増加し、死別によるものは35.8%減少している。なお生き別れにより父子世帯となったのは全体の80.2%であるが、その大部分の理由は離婚である。
●  母子世帯の母の83.0%は就業
  親の就業状況を見ると、母子世帯の母の83.0%が就業しており、このうち「臨時・パート」が49.0%と最も多く、次いで「常用雇用者」が39.2%となっている。また前回調査と比べて「常用雇用者」の割合が11.5%低下し、「臨時・パート」が10.7%増加している。一方、父子世帯の父の91.2%が就業しており、このうち「常用雇用者」は75.9%である。
  母子世帯と比較すると父子世帯の父の「常用雇用者」の割合が高いが、事業主として就業している割合が15.1%であることは注目に値する。事業主であれば、ある程度、時間的に融通が利くこともあり、自らが意図的にそのような道を選択しているケースも多いのではないだろうか。
●  母子世帯の母全体の平均年間就労収入は、162万円
  母子世帯の母が従事している仕事の内容は、「事務」、「サービス職業」がそれぞれ2割強で、次いで「専門的・技術的職業」、「販売」、「技能工・生産工程および労務」の順となっている。
  就労収入の構成割合全体の平均年間就労収入は、162万円となっている。仕事の内容別に見ると、「事務」の就労収入は198万円で、収入階級別では「100〜200万円未満」が38.3%と最も多くなっている。また「専門的・技術的職業」の就労収入は265万円で、全体の平均年間就労収入と比べると103万円高い。年収300万円未満の人が全体の87.2%を占めており、養育費の支払いを受けていない場合には、かなり厳しい状況である。
●  ひとり親世帯は、「公共職業安定所」、「市町村福祉関係窓口」を利用
  ひとり親世帯に対する公的制度等の利用状況については、母子世帯、父子世帯とも「公共職業安定所」、「市町村福祉関係窓口」、「福祉事務所」の利用が多い。母子世帯の母で不就業の者のうち、「就職したい」と回答した者が86.2%となっており、国としては公的制度を積極的に活用してもらい希望する仕事についてもらえるように対応していきたいところだ。
参考:厚生労働省発表「全国母子世帯等調査結果報告」
(庄司 英尚、庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2005.02.07
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