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給与の業種別格差
●  業種別に格差のある所定内給与
  厚生労働省が毎年調査している民間企業の給与等の調査「毎月勤労統計」の2004年の結果が発表された。
  所定内給与(月額)は、30名以上の事業所で、前年比0.4%減の27万3,978円と、5年連続の減少となった。業種別に見ると、製造業が前年比1.1%増の28万8,610円で、2年連続の増加。サービス業が前年比1.5%減の28万510円で、4年連続の減少。卸売・小売業が20万4,864円と前年比0.7%の減少となった。これは7年連続である。
  ここ数年、所定内給与は全体的に頭打ちであるものの、業種別に見ると、製造業は右肩上がりであるのに対して、サービス業、卸売・小売業は下がり続けている。特に、卸売り・小売業の所定内給与の減少が著しく、最も高かった時期から1割以上の下落となっている(図表1)。
【図表1 業種別賃金(所定内給与)推移】
【図表1 業種別賃金(所定内給与)推移】
●  正社員とパートタイマーの賃金格差
  これを就業形態別に見ると、30名以上の事業所においては、一般労働者(正社員)の所定内給与が32万3,111円であるのに対して、パートタイム労働者が9万3,083円と、その格差は大きい。
  業種別でも同様に一般労働者とパートタイム労働者の賃金格差については同様の傾向がある。正社員だけで見ると、業種別に所定内給与の差はほとんどない。パートタイム労働者については、製造業が最も高く、卸売・小売業が最も低い。そのため一般労働者との賃金倍率は平均では3.47であるのに対し、卸売・小売業は3.69まで拡大している(図表2)。
  先に見た業種別の賃金の格差は、業種ごとのパートタイム労働者の占率の違いがそのまま反映されているものと見ることもできる。
【図表2 就業形態別業種別所定内給与額】
(単位:円)
 
一般労働者
パートタイム労働者
倍率
30名以上事業所
323,111
93,083
3.47
製造業
298,282
101,405
2.94
卸売・小売業
296,787
80,377
3.69
サービス業
314,933
95,360
3.30
参考:厚生労働省「毎月勤労統計調査(平成16年分結果確報)」
(可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン主席コンサルタント、CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2005.02.21
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