> 税理士から見た生命保険販売のツボ > 他の人に知られないで保険金を手にする方法
税理士が見る生命保険販売のツボ
相談のケースはこちらから 提案プランの紹介はこちらから
他の人に知られないで保険金を手にする方法
  「経営者は孤独である」とはよく口にする言葉ですが、その反面、「英雄色を好む」という側面もあります。孤独であるがゆえに、同業者団体の会合やロータリークラブなどに参加して心を紛らわしているのではないでしょうか。そのため経営者を長く続けると、交友範囲も広く、その分、様々な面倒ごとを引き受けたり、とばっちりを受けたりもしているようです。
  そういう意味では、経営者には明るい実業家のイメージとしての正の側面と同時に、どうにも表に出しにくい事情を抱えた負の側面があるようです。
ケース
  経営者の中には(もしかしたら多くの場合)、なるべくなら他の兄弟や相続人に知られずに多額の相続財産を受け取れないかと考える傾向あるようです。経営者のそうした意向を察知してか、先代の父親である会長もそれを望んでいる場合があります。
相続なら相続税申告書でばれてしまう
  こうした場合にも、「保険」という制度を活用できます。
  ただ通常の保険であれば、多くの財産を持っている父親が契約者で保険料負担者となっているので、被保険者が誰であろうと、ましてや保険金受取人が誰であろうと、その保険金は被相続人から相続または遺贈によって取得したとみなされ、相続財産と合算されることになり、結局、相続税申告書上でその保険金の存在が明らかになってしまいます(ただし、保険金自体はその保険金受取人固有の財産)。
  一覧にもどる ページトップへ
「保険の制度を一時所得形態に変更する」
  ここでちょっと知恵が必要です。そもそも、保険料を被保険者が負担するのであれば、どういう形であれ明るみに出てしまうので、それであればその保険料を自分が負担すればよいのです。その上で、被保険者を父、保険金受取人を自分にするのです。
  こうすれば、被保険者である父が亡くなって相続が発生した場合には、その保険金は自分のところに入金され、さらには、自分が保険料を負担した保険金なので税制上は、相続税のカテゴリーではなく、所得税のカテゴリーに属することになるのです。
  所得税のカテゴリーに属するということは、もちろん相続税の申告書に載せる必要もなく、自分の所得税の確定申告書で申告することになります。

  こうすれば、他の相続人に知られることなく、保険金を手にすることができます。
  ちなみに、この場合の課税形態は、所得税法上の「一時所得」という形態になります。
  一時所得の税金計算式は、
(受取保険金額−支払い保険料総額−50万円)×1/2
です。

  所得税・住民税合計の最高税率は50%となっているので、上記1/2を考慮すると、いくら税額が高くなっても、50%×1/2=25%を超えることはない、ということです。
  つまり、一時所得形態に保険の制度を変更するということは、多額の相続税が発生するような場合にも有効に活用できるプランです。

  ただここで問題となるのは、その負担する保険料という原資がないことであるが、これについては父親からの贈与でまかなうことを提案します。
  年間110万円までであれば、贈与税の基礎控除の範囲内であるので無税で移転できます。「これでは保険料が少ない」と考えるのであれば、税率10%の範囲内での贈与を検討してみてはいかがでしょうか。

(470万円―110万円)×20%−25万円=47万円 → 負担するべき贈与税
470万円―47万円=423万円 → 支払い可能保険料

  さらには、現在では「相続時精算課税制度」というものができましたので、65歳以上の親から20歳以上の子供には2500万円に達するまで一旦無税で移すこともできます。
  ちなみに、これは相続人以外の人に保険金を渡したい場合にも活用できるプランです。
2005.08.22
  一覧にもどる ページトップへ
税理士 今村 仁 プロフィール
[経歴・バックグラウンド]
京都府京都市出身
立命館大学経営学部企業会計コース卒
会計事務所を2社経験後、ソニー株式会社に勤務。
その後2003年今村仁税理士事務所を開業、
2007年マネーコンシェルジュ税理士法人に改組、代表社員に就任。
[保有資格]
  税理士・宅地建物取引主任者・CFP(R)・1級FP技能士など
税理士 今村 仁