ここでちょっと知恵が必要です。そもそも、保険料を被保険者が負担するのであれば、どういう形であれ明るみに出てしまうので、それであればその保険料を自分が負担すればよいのです。その上で、被保険者を父、保険金受取人を自分にするのです。
こうすれば、被保険者である父が亡くなって相続が発生した場合には、その保険金は自分のところに入金され、さらには、自分が保険料を負担した保険金なので税制上は、相続税のカテゴリーではなく、所得税のカテゴリーに属することになるのです。
所得税のカテゴリーに属するということは、もちろん相続税の申告書に載せる必要もなく、自分の所得税の確定申告書で申告することになります。
こうすれば、他の相続人に知られることなく、保険金を手にすることができます。
ちなみに、この場合の課税形態は、所得税法上の「一時所得」という形態になります。
一時所得の税金計算式は、
(受取保険金額−支払い保険料総額−50万円)×1/2
です。
所得税・住民税合計の最高税率は50%となっているので、上記1/2を考慮すると、いくら税額が高くなっても、50%×1/2=25%を超えることはない、ということです。
つまり、一時所得形態に保険の制度を変更するということは、多額の相続税が発生するような場合にも有効に活用できるプランです。
ただここで問題となるのは、その負担する保険料という原資がないことであるが、これについては父親からの贈与でまかなうことを提案します。
年間110万円までであれば、贈与税の基礎控除の範囲内であるので無税で移転できます。「これでは保険料が少ない」と考えるのであれば、税率10%の範囲内での贈与を検討してみてはいかがでしょうか。
(470万円―110万円)×20%−25万円=47万円 → 負担するべき贈与税
470万円―47万円=423万円 → 支払い可能保険料
さらには、現在では「相続時精算課税制度」というものができましたので、65歳以上の親から20歳以上の子供には2500万円に達するまで一旦無税で移すこともできます。
ちなみに、これは相続人以外の人に保険金を渡したい場合にも活用できるプランです。
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