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税理士が見る生命保険販売のツボ
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その手があったのか…
大豆の話…
  ここ2、3年、国内でも台風の襲来や冷夏など天候が不順です。農作物への影響は深刻で、大豆の価格高騰を招いています。そのあおりを食っているのが豆腐店。特に国産大豆で勝負している豆腐屋さんはなおさらです。国産大豆の価格はその3分の1が入札で決まります。2004年産の大豆の平均落札価格は、60キロあたり1万5,136円(日本特産農産物協会調べ)。2003年産に比べると58.7%も上昇しています。さらに2002年産の価格に比べると、なんと3.45倍の数字となっているのです。すさまじい高騰ぶりではありませんか。
悲鳴あげる豆腐店
  豆腐店を例にとって、その影響ぶりを見てみよう。100円の豆腐の売値に対して大豆の原価率を以前は3割の30円であったとすると、この2年でその大豆の原価が3.45倍、つまり30円×3.45=103.5円になったということである。100円の売値に対して大豆の原価が103.5円(!)。明らかに赤字である。ちなみに豆腐業というのは、装置産業的なところがあって、最低1,000万円ほどの機械を入れないと作れないようです。さらには工場での作業も多々あって人件費が結構かかります。大豆価格の高騰が豆腐業をいかに直撃しているかがおわかりいただけよう。
ケース
  豆田社長が営むA豆腐店。大豆原価の高騰という逆風はありますが、昨今の健康ブームもあって消費者のニーズをガッチリつかみ、売上そのものは順調です。しかし、原価の高騰がそれ以上に進行しているため、資金繰りはかなりしんどい状態です。そんな中、明るいきざしも見え始めてきました。11月に始まった入札では、収穫見込みが前年を大幅に上回っているようなのです。
■ あと1,000万円足りない!
  豆田社長は今日も資金繰りのために銀行を走り回っています。3カ月先の利益は見えているのに、あと1,000万円の運転資金が足りないのです。どの銀行も借入金額は一杯一杯。どうしよかと悩みながらも、気晴らしに、以前からゴルフ仲間である保険営業マンらと一緒にゴルフへと出かけました…。
■ 保険会社から借りる
  コースを回りながら友人の保険営業マンに、今の大豆の状況等の愚痴をこぼしていると、その営業マンがかる〜く一言。

保険営業マン 「それだったら、保険会社から借りればいい」
豆田社長 「え?」
保険営業マン 「社長、毎月うちの保険会社に保険料払ってくれているでしょ。もうかれこ れ10年以上になりますよね。大体今で、解約返戻金が1,500万円ほどになっていますよ。大体その9割ぐらいでしたら、借り入れできるんですよ」
豆田社長 「え?1,500万円の9割っていったら、えーっと…1,350万円! そんなこと出来るの?」
保険営業マン 「契約者貸付といって、可能なんですよ。豆田社長の契約だったら金利も3%ほどですから、お勧めですよ。」
豆田社長 「その手があったのか…」
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まとめ 保険の有効活用を知らせる
  保険は付き合いで入っているだけで、本業集中なんていう社長に限って、こういった「契約者貸付」という制度は知らないことがあります。今回のようなケースでは、その制度を伝えるだけで非常に喜ばれるでしょう。
  営業マンにとっては当たり前でも、クライアントは素人であることを再認識して、「保険の有効活用」をぜひ多くの方に伝えてあげてください。そして、中小企業を資金調達面でも応援してあげてください、ね。

  今日の話が少しでも皆さんのお役に立つことができれば、幸いです。
2005.12.19
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税理士 今村 仁 プロフィール
[経歴・バックグラウンド]
京都府京都市出身
立命館大学経営学部企業会計コース卒
会計事務所を2社経験後、ソニー株式会社に勤務。
その後2003年今村仁税理士事務所を開業、
2007年マネーコンシェルジュ税理士法人に改組、代表社員に就任。
[保有資格]
  税理士・宅地建物取引主任者・CFP(R)・1級FP技能士など
税理士 今村 仁