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6-3-3で12個の決算対策
  3月決算の会社では、そろそろ決算対策がヤマ場を迎えているのではないでしょうか。そこで今回は、今までとは違った新しい決算対策をご紹介します。皆さんのクライアント先の会社が、相変わらずの決算対策しかされていないようでしたら、今回お伝えする「6-3-3で12個の決算対策」の内容は皆さんの付加価値になるのではないでしょうか。
今までの決算対策ではダメな3つの理由1
  今までの決算対策というと、単純には、黒字なら節税対策、赤字なら銀行対策ではなかったでしょうか。企業環境が大きく変わる中、果たしてこれでいいのでしょうか?
  例えば、消費税。現在では、(おおまかには)2年前の課税売上高が1,000万円を超えていれば消費税の納税義務が発生します。また、5,000万円以下の売上であれば、簡易課税方式という消費税の計算方法を選択できます。しかしそのためには、事前に届出書を提出しなければなりません。つまり、ほぼすべての会社で、決算対策の一つとして「消費税」についても考慮しないといけなくなったのです。
  皆さんのクライアント先の会社では、決算3ヵ月前または1ヵ月前に消費税について検討されていますか?
今までの決算対策ではダメな3つの理由2
  昨年5月に会社法が創設されました。資本金1円・役員1人でも簡単に株式会社がつくれるようになりました。会社をつくって自分に給料を払う形をとると、給与所得控除が使えるため一般的には節税となるので、会社の数が急増することが予想されました。そこで、税収が減ることを嫌う国税側は、昨年の税制改正において節税規制を設けました。それが、「業務主宰役員給与一部損金不算入」というものです。この規定は、業務主宰役員(例、社長)の給料の一部が会社における経費として認められなくなるというものです。ただしこの規定には、対策を施すと適用除外となる場合があるのです。そしてこの節税規制の対象となるかどうかは、「事業年度末」で判定します。つまり、このことも決算対策において検討するべき項目となります。
   皆さんのクライアント先の会社では、決算対策の一つとして、「業務主宰役員給与一部損金不算入」の適用除外を検討されていますか?
今までの決算対策ではダメな3つの理由3
  今までの決算対策ではダメな最後の理由は、融資面の変化です。現在銀行の融資は、従来の支店長裁量融資から、決算書を点数化することによる「格付融資」に変わりました。つまり、融資面から決算対策を考えると、「格付融資」で高得点を得られるように対策を施すことが必要となります。また、最近では税理士が作成した「中小企業の会計指針チェックリスト」が添付された決算書を銀行に提出すると、融資面で優遇される場合があります。
  皆さんのクライアント先の会社の決算書には、「チェックリスト」が添付されていますか?
決算対策はどうあるべきか?
  ここまで長々と今までの古い決算対策では、現在の企業経営には太刀打ちできないことを述べてきました。ご理解いただけましたでしょうか?
  つまりは、法律や各種制度、銀行の融資姿勢などが変わったことによって、決算時に考慮しないといけない項目が増えた・変化した、ということです。
  それでは今、決算対策はどうあるべきなのでしょうか?
6-3-3で12個の決算対策
  そこで、今の経済情勢に合った新しい決算対策をまとめてみました。

【6-3-3で12個の決算対策】
(決算3ヵ月前にやるべきこと)
1.決算利益予測・法人税等予測
2.来期事業計画の策定
3.赤字対策(銀行格付対策)
4.黒字対策(良い節税対策)
5.消費税納税予測
6.事業承継対策

(決算1ヵ月前にやるべきこと)
1.来期消費税計算方法の選択
2.業務主宰役員給与一部損金不算入対策
3.来期管理会計の導入準備

(決算時・後にやるべきこと)
1.来期役員報酬支給額の決定
2.チェックリストの添付
3.剰余金の処分


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まとめ 経営者の方々へ気づきのキーワードとして利用する
  以上を合わせて、「6-3-3で12個の決算対策」となります。皆さんのクライアント先や見込みクライアント先の経営者の方々に、「業務主宰役員給与一部損金不算入対策をご存知ですか?」や「チェックリストは添付されていますか?」といった切り口の案内をすると、喜ばれるのではないでしょうか。案内の時期としては、やはり決算前がいいでしょうね。今回の新しい決算対策の内容を、経営者の方々への気づきのキーワードとしてご利用いただければと思います。
  また次回以後で、12個の決算対策についての詳細をそれぞれ解説していく予定ですので、詳しい内容は今しばらくお待ちください。
  今日の話が少しでも皆さんのお役に立つことが出来れば、幸いです。
2007.3.12
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税理士 今村 仁 プロフィール
[経歴・バックグラウンド]
京都府京都市出身
立命館大学経営学部企業会計コース卒
会計事務所を2社経験後、ソニー株式会社に勤務。
その後2003年今村仁税理士事務所を開業、
2007年マネーコンシェルジュ税理士法人に改組、代表社員に就任。
[保有資格]
  税理士・宅地建物取引主任者・CFP(R)・1級FP技能士など
税理士 今村 仁