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税理士が見る生命保険販売のツボ
決算時にするべきこと(6-3-3で12個の決算対策)
  5回目となる「6-3-3で12個の決算対策」ですが、いよいよ今回が最終回となります。最終回の今回は、「決算時・後にするべき3項目」についてお伝えします。
決算時・後にするべき3つの項目
  まずは、決算時・後にするべき3項目について列挙しますね。
1.来期役員報酬の決定
2.チェックリストの添付
3.剰余金の処分
来期役員報酬の決定
  近年の税制改正によって、今まで不透明であった「役員報酬の取り扱い」が明確化されました。具体的には、期中の役員報酬の増減が原則不可となりました(不可というのは、役員報酬の増減は会社の自由ですが税務上は費用処理を認めないということです)。
  つまり、役員報酬を変えられるのは、原則決算後3カ月以内となりました。3月決算の会社であれば、役員報酬の変更は4月か5月か6月ということになります。
  ということは、この決算時に来期(今期)の役員報酬を決定することが今まで以上に重要になったということです。
  ここで、決算3ケ月前のToDoである「来期事業計画の策定」が活きてきます。このとき立てた事業計画を、よりこの決算時に綿密に精査し直してください。そしてその利益予想に基づいて節税も勘案し、「役員報酬を決定」して下さいね(決算1カ月前のToDoである社長報酬損金不算入シミュレーションもお忘れなく)。
チェックリストの添付
  決算時・後にするべき2つ目の項目として、「中小企業の会計に関する指針の適用に関するチェックリストの添付」というのがあります。この「チェックリスト」というのは、税理士がその会社の決算書などを一定のチェックリストに従ってチェックして決算書に添付するというものです。チェックリストの内容は、例えば、「預金の残高を確認したか」や、「売掛金の回収可能性をきちんと精査して会計処理しているか」などです。
  そして、このチェックリストが決算書に添付されていると、中小企業にとっては融資面において大きなメリットがあります。メリットの一つは、信用保証協会の保証料率が0.1%下がるというものです。さらには、平成18年4月より信用保証協会の保証料率が、一律料率(無担保の場合、年1.35%)から、中小企業の財務内容に応じた基準料率(0.5〜2.2%の範囲の9段階)に個々の中小企業者の財務以外の要因を加味(例えば上記チェ ックリストがあるかどうかなど)して適用料率を決定することとなりましたので、ここでもこのチェックリストがメリットを発揮する可能性があります。
  また2つ目のメリットとしては、全国91の民間金融機関もこのチェックリストの添付がある場合には、いくつかの優遇措置を設けていることです。例えば、「日本税理士会連合会提携商品」として、「三井住友銀行【クライアントサポートローン】」などがあります(執筆時現在)。

詳細はこちら
→http://www.nichizeiren.or.jp/taxpayer/chusyo.html
剰余金の処分
  そして決算時・後にするべき最後の項目として、「剰余金の処分」というのがあります。これは例えば、「配当を行う」等が該当します。
  昨年に施行された会社法により、「配当」というのはいつでも出来ることとなりましたが、やはりこの決算時に決算報告とともに株主さんに配当を実施するというのは、(特に他社から出資してもらっている)中小企業にとっては大事なことであると思います。
古い決算対策ではよくないというアドバイス
  以上、全5回にわたってお伝えしてきた「6-3-3で12個の決算対策」ですが、ご理解頂けたでしょうか。経済や法律の枠組みが変わったことによって、今までの決算対策では万全ではなくなっているのだ、よくないのだということを、ぜひ皆様のクライアント先である経営者の方々にお伝えしていただければと思います。

今日の話が少しでも皆さんのお役に立つことが出来れば、幸いです。
2007.7.9
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税理士 今村 仁 プロフィール
[経歴・バックグラウンド]
京都府京都市出身
立命館大学経営学部企業会計コース卒
会計事務所を2社経験後、ソニー株式会社に勤務。
その後2003年今村仁税理士事務所を開業、
2007年マネーコンシェルジュ税理士法人に改組、代表社員に就任。
[保有資格]
  税理士・宅地建物取引主任者・CFP(R)・1級FP技能士など
税理士 今村 仁