中小企業の社長が亡くなって我々税理士がその亡くなった社長の相続財産を計算すると、自宅と自社株がその相続財産の大半といったケースがよくあります。
ここで、中小企業の相続・事業承継を考えた場合に問題となるのが、相続人が払わないといけない相続税の納税資金不足です。つまり、換金性の乏しい自宅と自社株が相続財産の大半を占める場合、相続税を払うための現金が不足します。結果、社長がお亡くなりになってから約10ケ月後に到来する相続税の納税時に、相続人が納税資金不足で困るということになります。実際、自宅を売却するわけにはいかないでしょうし、また中小企業の自社株も換金性はほとんどないでしょうから。
もう一つ、自宅と自社株が相続財産の大半を占める場合に問題となるのが、その財産分けにおいてです。例えば、相続人が妻と子ども2人の合計3人という場合、自宅と自社株が相続財産の大半であれば、それを3等分するのはなかなか難しいでしょう。
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