次に、銀行が融資する際何をポイントとしているのかお伝えします。この融資ポイントというのは、経営者の方は知っているようで意外と知らないことが多いです。
銀行が融資する際のポイントをまとめると、
1.返せるの?(返済能力)
→資金繰り表や経営計画書の提出が有効
2.何に使うの?(資金使途)
→設備資金の場合、見積書などの提出が有効
3.担保や保証人は?
→不動産は通常70〜80%しか評価されません
となります。
よくベンチャー経営者が最初に陥る罠として、銀行マンに自らの夢を赤裸々に語ってしまうというのがあります。これはどういうことかというと、初対面の銀行マンの前でこんなことを経営者が語ってしまう場合です。
「実績として今は月200万円の売上だけれども、来年には店舗を最低3つは出すので売上は4倍になります。だから間違いなく返せるので1,000万円貸してほしい」
銀行マンにとって、融資先の企業の売上が4倍になることに実はそれほど興味はありません。極端な話、銀行マンにとっては、単純に、貸したお金が金利を含めてちゃんと約定どおり返済されるかどうかしか興味がないのです。銀行には「銀行のビジネスモデル」というのがあるのです。この事実はとても大事なことです。ぜひ経営者の方には知っておいていただきたいこととなります。
また、銀行マンというのは、初対面の方を警戒します。ですから、先ほどのようなことをベンチャー経営者から聞いたとしても、返す言葉は、「前職は何をされていましたか?」や「今まで金融機関からお金を借りたことがありますか?」となります。要は、まず信頼できる人物かどうかを確認しているのです。ですから、特に銀行からお金を借りることが初めての経営者の方は、まずは銀行マンに当たり前に自分や会社のことを信頼してもらうことが先となります。そしてその次に、現在の実績や今後の見通しをどちらかというと謙虚にお話されるのがベターであると思います。
さらに経営者の方にとって認識不足のことが多い項目として、上記銀行が融資する際のポイントの2番目にある「資金使途」です。経営者の方からすると、ちゃんと返せる根拠さえ示せれば銀行はお金を貸すと思っている場合があるのですが、銀行マンからするとそんなことはないのです。例えば、迂回融資などを銀行は嫌いますし、また貸してはいけない業種や内容というのも銀行によってあるようです。つまり、「資金使途」というのは、「返済能力」と並んで銀行は重要視します。
それであるなら、銀行交渉を自社にとって有利に運ぶためにも、銀行が安心する材料として、資金使途がわかる資料を色々と提示してあげるといいですね。

中小企業にとってお金の問題というのは、常に最重要課題でしょう。そこで、中小企業経営者のブレーンである皆さんが、銀行や銀行マンの立場及び重要視している項目などをクライアントである経営者の方などに伝えてあげて、より銀行交渉が有利になるようアドバイスしてあげることは喜ばれることとなるでしょう。
今日の話が少しでも皆さんのお役に立つことができれば、幸いです。
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