そこで平成20年度税制改正において、「自社株に係る80%納税猶予」制度が創設されることになりました(厳密には平成21年度税制改正において創設予定)。
現行では、非上場株式等に対する優遇措置は小規模宅地等の80%評価減と異なり10%評価減とされています。そしてこれを、現行の10%減額から80%納税猶予に大幅拡充するとともに、対象を中小企業全般に拡大するとあります。適用時期としては、平成21年度税制改正にて創設し、経営承継円滑化法の施行の日(平成20年10月予定)以降の相続に遡って適用することとなっています。
現行制度である「自社株に係る10%減額措置」とは、対象会社の要件を「発行済株式総額20億円未満の会社」としています。また、減額措置の上限として、「相続した株式のうち、発行済株式総数の2/3又は評価額10億円までの部分のいずれか低い額」となっています。しかしこれでは、より優良な中小企業は対象から外れてしまいますよね。
そこで、今回の税制改正項目である「自社株に係る80%納税猶予」では、まず対象会社の要件を、「中小企業基本法上の中小企業」としています。中小企業基本法上の中小企業とは、例えば製造業であれば資本金3億円以下又は従業員数300人以下、小売業であれば資本金5,000万円以下又は従業員数50人以下となっています。詳しくは、以下図1をご覧ください。また、発行済株式総額の要件は撤廃し、軽減対象となる株式の限度額も撤廃することとなっています。但し、発行済株式総数の2/3以下という限度は設けられています。
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