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税理士が見る生命保険販売のツボ
「業績の良い会社にすすめてあげてください」
急成長は良い事?
  皆さんのクライアント先の企業でも、新商品や新サービスが受けて、一気に売上が拡大することがあるでしょう。まさに急成長です。よく急成長は良い事であると思われている方がおられますが、これを私は間違いではないかと思います。何でも「急」なのは、歪みや負担が生じますので、できるだけ避けるべきことだと思います。
 ボールをまっすぐ上に投げるのと、斜め前方に投げるのをイメージしてください。まっすぐ上に投げて頂点まで行くと、そこからは真っ逆さまに急降下します。逆に、遠くに投げるように斜め前方に投げた場合、上昇するのもゆっくりですが、下降するのも時間をかけてゆっくりです。
 会社経営でも同じで、「急成長すると急降下」することが多いのです。急成長している会社の経営者には、急成長させないためにブレーキを踏むようアドバイスしてあげるのが正しいブレーンのあり方ではないでしょうか。
そんなときおすすめなのが…
  しかし、経営者がブレーキを踏んでいるつもりでも、急成長してしまうことがあるのも事実です。時流に乗ってしまうと一気に売上拡大してしまうことがあります。そういうときには、急降下に備えるための準備が必要です。 もちろん保険も有効な手立ての1つですが、他には、「中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)」の加入というのもあります。
 この制度は、掛金を6カ月以上支払うと、取引先が倒産などした場合に、回収困難な売掛債権等の額と掛金総額の10倍相当額(3,200万円以内)とのいずれか少ない金額の融資が、「無担保・無保証・無利子」で受けられるというものです(但し、貸付けを受けた共済金額の1/10に相当する額は、掛金総額から控除されます)。得意先が倒産したときに、自社が連鎖倒産しないための制度で、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。
 加入できるのは、以下の一定の規模以下の中小企業者で、引き続き1年以上事業を行っている方です。ただし、融資が受けられる倒産には「夜逃げ」や「内整理」は含まれませんのでご注意ください。
節税対策としても有効
  掛金は5,000円から80,000円までの5,000円刻みで自由に選択でき、税法上全額経費処理が可能です。
 そしてこの制度の良いのは、「掛金を40カ月以上支払うと解約手当金が100%戻ってくるところ」です。
 例えば活用方法として、業績が良い時に掛金を支払って節税を図り、業績が悪化したときに解約して収入計上するという方法が考えられます。
 節税しながらもしものときの備えができるので、ありがたい制度といえます。以下にこの「中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)の概要」を転載しますので、皆さんのクライアント先である経営者へのアドバイス時の参考にしてください。

中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)の概要
http://www.smrj.go.jp/tkyosai/000771.html

■加入資格
引き続き1年以上事業を行っている以下の中小企業者です。
●従業員300人以下または資本金3億円以下の製造業、建設業、運輸業その他の業種の会社及び個人。
●従業員100人以下または資本金1億円以下の卸売業の会社及び個人。
●従業員100人以下または資本金5,000万円以下のサービス業の会社及び個人。
●従業員50人以下または資本金5,000万円以下の小売業の会社及び個人。
●企業組合、協業組合など。
※一部の業種に政令に基づく例外があります。

■掛金
●毎月の掛金は、5,000円から80,000円までの範囲内(5,000円単位)で自由に選べます。
●加入後、増・減額ができます(ただし、減額する場合は一定の要件が必要)。
●掛金は、総額が320万円になるまで積み立てることができます。
●掛金は、税法上損金(法人)または必要経費(個人)に算入できます。

■貸付事由
加入後6か月以上経過して、取引先事業者が倒産し、売掛金債権等について回収が困難となった場合です。

■貸付金額
掛金総額の10倍に相当する額か、回収が困難となった売掛金債権等の額のいずれか少ない額となります(一共済契約者当たりの貸付残高が3,200万円を超えない範囲)。

■貸付期間
5年(据置期間6か月を含む)の毎月均等償還です。

■貸付条件
無担保・無保証人・無利子です(但し、貸付けを受けた共済金額の1/10に相当する額は、掛金総額から控除されます)。

■一時貸付金の貸付け
加入者は取引先事業者に倒産の事態が生じない場合でも、解約手当金の範囲内で臨時に必要な事業資金の貸付けが受けられます。

■加入の申込先
お取引先の金融機関の本支店・商工会連合会・市町村の商工会・商工会議所・中小企業団体中央会などの独立行政法人中小企業基盤整備機構と業務委託契約をしているところへお申し込みください。
2008.09.22
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税理士 今村 仁 プロフィール
[経歴・バックグラウンド]
京都府京都市出身
立命館大学経営学部企業会計コース卒
会計事務所を2社経験後、ソニー株式会社に勤務。
その後2003年今村仁税理士事務所を開業、
2007年マネーコンシェルジュ税理士法人に改組、代表社員に就任。
[保有資格]
  税理士・宅地建物取引主任者・CFP(R)・1級FP技能士など
税理士 今村 仁