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税理士が見る生命保険販売のツボ
「業績の良い会社にすすめてあげてください」
税務調査の季節です
  毎年のことですが、8月から12月ぐらいまでというのが、税務調査の最も多い時期となります。これは、国税庁側の人事異動や繁忙期などが影響しているものと思われます。
  そこで、税務調査について関心が高いこの時期に、皆さんのクライアント先である経営者の皆様に、税務調査の心構えやその対策を伝えてあげてください。
税務調査の心構え
  税務調査があるというと、悪いことはしていなくとも緊張するものです。税務調査において適度な緊張感は必要ですが、あまりに神経質になる必要はありません。しかし、実際税務調査の現場では、「社長が早口となり言葉数が多くなる」「異常に感情的に対応してしまう」「経理担当者が妙におどおどしてしまう」などの傾向があらわれることが多いです。
  そこで、「税務調査の心構え3カ条」をまとめてみました。

第1条 普段通りで
・税務調査官は敵ではないので、他の業者さんなどと同様、通常の礼儀を尽くす
・税務調査が納税者の業務の妨げになってはいけないので、過度にこびる必要はない
・税務調査とはいえ、最終的には人間対人間の交渉事でもあるので心象も大事にする

第2条 聞かれたことのみ答える
・税務調査官は特に最初の会話などで何か調査の糸口がないかと考えている
・過去のことなどは、聞かれたことだけ答えればいい
・税務調査官は税務的な見地(資産性があるか等)で見ているため視点が違うということを知っておく

第3条 わからないことはわからないと言う
・あいまいな点をいい加減に答えるのは後でもめるので、そのようなときはわかりませんと素直に答える
・時間をかけてわかる場合は、後から調べて答える
・わからないこと・不明点は税理士に相談してから答える
事前にできる対策
  次に、税務調査があるとわかった後にしておくべき「5つの直前税務調査対策」を記します。

1.過去3年分の書類整備(会社に保管)
  ⇒通常過去3年分の元帳や請求書、領収書、賃金台帳などを確認される
   もしこれらが自宅にあれば自宅も税務調査の対象になることもある
2.各種書類における付箋やメモ書きのチェック
  ⇒不要なものは外しておく
   あらぬ疑いのもとである
3.契約書や議事録の整備
  ⇒特に契約書には印紙の貼り忘れがないか確認をしておく
4.身の回りの整理
  ⇒役員や経理担当者などの机や棚の中などは見られる可能性がある
5.税理士との打ち合わせ
  ⇒気になる取引などがあれば事前に税理士と相談しておく
お昼は出すべきか? お土産は必要?
  最後に税務調査時に意外と気になることとして、お茶やコーヒー、お昼の食事などはどうしたらいいのかということです。
  結論としては、「お茶やコーヒーなどは出したほうがいい(午前と午後の開始時)」ですが、「お昼は出さなくていい」です。現在の税務調査では、公務員倫理法もあって、お昼は出しても断られます。
またよく勘違いされていることとして、「税務署にはお土産が必要なのではないか」というのがあります。つまり、きちんとこちらが帳簿付けをしていても、多少は税金を追加で払ってあげないと税務署員は帰ってくれないのではないかということです。
  これに対しては、全くそんなことはない…、とは言いませんが、現在の税務調査ではこういったことはだいぶ少なくなってきているように感じます。東京税理士会の平成18年度アンケートによると、「申告是認が24.3%」となっています。つまり、税務調査を受けた中で、何も税金を払わなくて良かったケースが、4〜5件に1件あったということです。実際私が税務調査に立ち会ったケースでも、追加納税0円というのはよくあります。
  今日の話が皆さんのお役に立つことができれば幸いです。
2008.11.10
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税理士 今村 仁 プロフィール
[経歴・バックグラウンド]
京都府京都市出身
立命館大学経営学部企業会計コース卒
会計事務所を2社経験後、ソニー株式会社に勤務。
その後2003年今村仁税理士事務所を開業、
2007年マネーコンシェルジュ税理士法人に改組、代表社員に就任。
[保有資格]
  税理士・宅地建物取引主任者・CFP(R)・1級FP技能士など
税理士 今村 仁