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税理士が見る生命保険販売のツボ
「平成21、22年に土地を買うと…、大型節税の予感!?」
不況ですが、不動産投資は活発です
  昨年からの金融ショックなどで世界的大不況が続いています。日本では、最近、株価の上昇や一部省エネ製品の増産などで明るい兆しが出ているようですが、中小企業においてはまだまだ厳しい状況が続いています。
  しかし、そんな中でも、意外に感じられるかもしれませんが、一部の不動産投資は活発に行われています。融資審査は厳しいのですが、売値の低下による利回りの上昇などがその要因のようです。
  皆さんのクライアントや見込み客においても、不況の中、不動産投資を虎視眈々と狙っている方がいらっしゃると思います。そこで、土地に関する今年の税制改正情報をお伝えすることは、営業面での大きなプラスに働くのではないでしょうか。
土地を買うと減税に?
  平成21年税制改正において、景気対策の一環として、「土地等を先行取得した場合の課税の特例制度」が創設されました。
  この特例制度では、法人または個人事業者が平成21年または22年中に国内にある土地等を取得した場合に、その取得の翌事業年度から10年以内に行う他の土地等の売却について、先行取得土地等の取得価額を限度として売却益の80%(注)の課税繰り延べができることになりました。ただし、先行取得した土地等の取得価額については、課税繰り延べ分だけ減額されますので、その先行取得土地等を売却するときに、未実現の課税が実現することになります。
  また、この特例制度の適用を受けるには、先行取得土地等を取得した日の事業年度の申告書提出期限までに、先行取得土地等に関して一定の事項を記載した届出書を、税務署長に提出する必要があります。
  (注)先行取得土地等が平成22年中に取得されたもののみである場合には60%
大型節税も可能
  この特例制度は、課税の繰り延べではあるのですが、先行取得した土地等を売却しなければその課税は実現しません。また、金額の上限もありませんので、ケースによっては、大型節税が可能となります。
  例えば、昔から会社で保有していて含み益がある土地(時価5億円、帳簿価額1億円)を、資産の組み換えの一環で、先に近隣の土地を取得(3.5億円)した上で、翌年度に売却したとします。
  この場合、従来であれば、売却価額5億円から帳簿価額1億円を控除した4億円に対して税金が発生します。実効税率を40%と仮定すると、4億円×40%=1.6億円の税金となります。
  これが、この「土地等を先行取得した場合の課税の特例制度」を利用できると、4億円−4億円×80%=0.8億円が課税所得となり、0.8億円×40%=0.32億円の税金となります。
  節税額は、1.6億円−0.32億円=1.28億円です。
  ただし、この制度は課税の繰延べ制度ですから、先行取得した土地の取得価額が3.5億円から3.5億円−4億円×80%=0.3億円となります。先行取得土地を売却するときに課税が実現しますが、売却しなければ税金を払う必要はありません。
2009.08.10
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税理士 今村 仁 プロフィール
[経歴・バックグラウンド]
京都府京都市出身
立命館大学経営学部企業会計コース卒
会計事務所を2社経験後、ソニー株式会社に勤務。
その後2003年今村仁税理士事務所を開業、
2007年マネーコンシェルジュ税理士法人に改組、代表社員に就任。
[保有資格]
  税理士・宅地建物取引主任者・CFP(R)・1級FP技能士など
税理士 今村 仁