この住宅取得等資金の贈与税の非課税制度には、他にもポイントが3つあります。
ポイント3としては、非課税限度額についてです。相続時精算課税制度では、贈与者ごとに非課税限度額が定められていますが、この住宅取得等資金の贈与税の非課税制度では、「平成21年1月1日から22年12月31日の間を通じての受贈者ごとの限度額」となっています。例えば、祖父と父からそれぞれ500万円ずつ住宅資金を贈与された場合、非課税の特典を受けられるのは500万円×2人=1,000万円ではなく、500万円となります(基礎控除110万円は除く)。
この制度の4つ目のポイントは、適用に当たって、「申告期限内に贈与税の申告書及び添付書類などを税務署に提出する必要があること」です。贈与税の申告期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日ですが、この申告期限内に申告書等を税務署に提出しないと適用が受けられませんのでご注意ください。税金がかからないのだから何もしなくていいというのは間違いです。
最後のポイントは、他の控除額との併用が可能であるということです。例えば、暦年課税制度であれば、年間110万円という贈与税の基礎控除額があります。つまり、住宅取得等資金の贈与税の非課税制度と組み合わせると、年間610万円まで贈与税が非課税となります。
また、住宅特例の相続時精算課税制度との組み合わせでは、3,500万円+500万円=4,000万円まで贈与税が非課税となります。ただし、相続時精算課税制度については、1度選択すると撤回が不可能であることや贈与者は原則父母に限定されていること、相続時に持ち戻し課税されることなどの注意点がありますので、適用にあたっては税の専門家に事前にご相談ください。
ちなみにこの制度は、単に自宅を買うまたは建てる以外にも、100万円以上の一定の増改築等も対象となります。
「自宅を買おうかな」「建てようかな」「増改築しようかな」というクライアント先がありましたら、ぜひこの「住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」を教えてあげてください。
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