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がん患者に「先進医療特約」は必要か?(後編)
ファイナンシャル・プランナー 黒田 尚子
  前回に引き続き、今回も先進医療特約についてです。
  さて前回は、先進医療特約を付加する意味とその限界、そして「先進医療特約は付加すべきか」?という私なりの意見を述べさせていただきました。今回は、先進医療の最新の実績と具体的な保険商品の先進医療特約についてご紹介しましょう。
●  最も件数が多い先進医療はどんなもの?
  現在、厚生労働省で規定されている先進医療は、103種類(平成25年12月1日現在。第3項先進医療(先進医療B)技術として規定されている38種類を含む)ありますが、このなかで、どれが最も多く実施されている医療技術か、ご存じの方は少ないかもしれません。
  厚生労働省の平成24年度実績報告によると、最も件数が多い先進医療は「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」です(年間実施件数は4023件)。
  これは、白内障の治療で行われるもので、特徴としては、単焦点と違って、白内障と同時に老眼も治療できるという点。つまり、遠くも近くもはっきりキレイに見えるようになるそうです。費用は平均50万円程度で、実施している医療施設も、先進医療に認定されている治療の中でも一番多く、軽く100ヵ所は超えています。
  この治療方法の説明を受けた知人(50代男性)曰く、「老眼も良くなるんだったら、こっちの方を選びたくなる」とのこと。ただし、高額な費用負担が難点です。単焦点による治療法であれば保険適用できますので、通常はこちらを選択して、老眼鏡で矯正を行うというのがスタンダードだとか。
  ということは、加入している保険に先進医療特約を付帯していた場合、費用負担の問題は解消できるわけです。実際に、私の手元にある某保険会社の、ここ数年の『先進医療給付金支払い状況』を確認すると、この医療技術の支払いがダントツになっています。
  この医療技術はがんに関するものではありませんが、患者にとって先進医療はハードルが高いものばかりではない、ということも知っておいていただきたいのです。
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