> 今週のトピックス > No.2742 |
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ますます重要になる訪問看護の役割 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ● 在宅医療を支える「訪問看護ステーション」
平成26年度の診療報酬改定の基本方針案が厚労省より提示された。やはり急性期を脱した患者の受け皿をどうするかが、ポイントの一つとして示されている。具体的には、亜急性期に対応する病床の確保を国としても大きな課題と認識しているようだ。※
だが、病床整備というのは、報酬による誘導を仕掛けたとしても相応の時間がかかる。その間、どうしても急性期病棟から直接在宅へと戻るケースは増え、在宅を対象とした訪問診療がカギを握らざるをえない。 例えば、24時間の往診などの対応を強化した在宅療養支援診療所・病院については、複数の医師が在籍するなどさらなる機能強化を図った強化型や、地域の複数の医療機関が連携して機能強化を図る連携型の誕生により、平成24年度には前年度比で1200ヶ所以上の増加が実現した。診療所・病院を含めた総数は、約1万4500ヶ所となっている。 だが、強化型などが誕生しても、平成24年度の4〜9月の半年間で、緊急往診や在宅での看取りを実施した回数がゼロという所が依然として2〜3割存在する。その背景として、常勤医師を3名以上配置できない、月1回以上の定期的なカンファレンスが実施できていないなど、人手確保や地域連携に大きな課題が存在している状況が浮かぶ。 実際、地域の訪問診療医に話を聞くと、「医師だけでどんなに頑張ろうとしても、他の地域資源の支えがなければ、24時間対応などを継続するだけの心身状態を保つのが難しい」という声があがる。具体的な支えとして訪問医が口を揃えるのは、訪問看護の存在だ。 訪問看護事業所数の推移を見ると、単独型のステーションは10年前に比べて約1500ヶ所増加しているが、利用者数も9万人近く増えている。必然的に1事業所あたりの職員数を増やさざるをえない状況にあり、1ステーションあたりの常勤換算職員数は、平成16年度の4.9人に対して平成23年度は5.9人。だが、常勤換算の「看護職員」に限れば、4.2人から4.6人へと微増にとどまっている。 ![]() ● 訪問介護と通所介護が介護保険から外れることによる影響
限られた看護師数で在宅医療にかかる負担を軽減するためには、利用者の既往歴などを確実に押さえたうえで、急性悪化を早期に察知したり、日常的にその防止を図ることが必要になる。その意味で、訪問看護師人員の充足を図ると同時に、軽度からの訪問看護利用を進めていくことも必要だろう。実際、予防的な視点から訪問看護の利用を訴えるステーションもあり、地域包括支援センターの介護予防事業に参画する看護師も増えてきた。
一つのカギとなりそうなのが、次期介護保険制度の改正において、要支援認定を受けた人の予防給付が市町村事業に移行する予定についてである。移行するのは訪問介護と通所介護で、訪問看護は予防給付のまま残る。訪問介護は単価が抑えられる可能性が高いため、予防に関しての機能がどこまで維持できるかという不安が募るが、それを予防訪問看護がカバーする存在になるという予測が浮かぶ。 利用者の「将来的な状態悪化」という不安を払しょくするために訪問看護への期待が高まるとすれば、早期からの利用促進も期待できることになる。ただし、それをきちんと評価する報酬体系が築けるかどうか。結局は、このあたりが大きなポイントとなりそうだ。 ※今週のトピックスNO.2726を参照 ![]()
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2013.12.12 |
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